平成14年12月議会 反対討論
2002年12月16日
金 井 忠 一
議案第107号上田市下水道条例中一部改正について、議案第108号農業集落排水施設条例中一部改正について、反対の立場から討論いたします。

 今回の使用料の値上げは、平均改定率5.6%というものであります。平均的な家庭使用料の1ケ月当たり、現行3,644円から205円引き上げ3,849円となります。
長野県内の現行の上下水道料金の比較をしてみれば、公共下水道は県下17市平均では2,976円で上田市は3,644円で県下第一位であります。農業集落排水は第6位という高い水準であります。
さらに今回の引き上げがされれば3,849円となり、まさに公共下水道料金はダントツの第一位という不名誉な状況が続くことになります。
 今日、深刻な不況の中で、企業倒産や希望退職、首切りなどのリストラが続き、賃金の引き下げがされ、ボーナスさえも出ない会社もあるという状況が進行しております。
また、自営業の皆さんからは、商売を何時まで続けていくことができるのかという深刻な声があります。
 さらに、この10月からはお年よりの皆さんの医療費が窓口1割負担となり、今までの何倍もの医療費がかかり、必要な人が診療や薬を控えるなど、お金がなければ医者にもいけない状況がおきており、お年よりの皆さんの不安は一層深刻になってきております。そのうえ、来年からは介護保険料の値上げも予定されているのであります。また、サラリーマンも、来年4月からは、健康保険本人3割負担となります。
 今回の値上げは、水を多く利用しながら営業している理・美容院や食堂などを営業している皆さんにとっても深刻な問題となっております。
 まさに、上田市民の苦しい悲鳴があちらこちらから、聞こえてきてくるような気がいたします。
 一体、今回の大幅な引き上げは、どうしてもやらなければならないのか。
 今まで、上田市は使用料の引き上げをしないために、どのような努力をしてきたのでありましょうか。
私は、市民に十分納得できうる根拠や努力等が不十分であると思います。
 第1に、一般会計からの繰り入れについてであります。
どこの自治体でも使用料の抑制に一般会計からの繰り入れをしておりますが、上田市はほとんど法適用の範囲内であり、17市中4番目に低い水準にあり、遅れている下水道の普及のために集中投資している上田市の現状等からして、一般会計からの繰り入れを増額するなどあらゆる政策的、財政努力をする必要があります。

第2に、国庫補助金の増額に対する働きかけについてであります。
 下水道事業は、多くの先行的設備投資が必要なため、財源として、国庫補助金、企業債、受益者負担金が充てられております。国庫補助率の引き上げについて、関係機関に粘り強く働きかけや要請を真剣にすべきであります。

第3に、高金利の借り入れ企業債の借り換えについてであります。
 使用料の引き上げを抑えるためには、使用料の算定する対象経費の中でも企業債の元金と利息の償還金である資本費が多いのであるからして、高金利で借りているものを借り換えることが求められております。
 上田市における公共下水道事業の現行の借りている政府系資金等、430億6千万円の借り入れ利率は、2.5%未満が約6割、2.5%から8.0%未満が約4割を占めております。
ご承知のとおり、今日、私たちの預金利息は0.001%と言うような0%に近い状況であります。
政府系資金の借り換えは現行難しいと言うような状況でありますが、市民生活も守るためにも、理事者と議会の共同した関係機関への要請行動や努力も大切であります。
そのためには、市長会や議長会などのへも、積極的に要請することが必要であります。又、理事者も、議会も力を合わせて、県下選出の全国会議員等の力もいただいて、政府に粘り強く要請行動を行っていくことがとりわけ重要であります。

第4に、企業会計原則に従った会計処理を行うことであります。
 現在の会計処理は国による指導によるものでありますが、法的根拠はありません。全国の先進的会計処理について、十分な調査も行い勉強もし、事務的内部努力を積極的に行う必要があります。

最後に、公営企業法の基本原則である「公共の福祉を増進する」ために、使用料を低く抑えるためにあらゆる努力をしていくことが、今日的には、は母市長が言う、生活者起点の市政運営の実践ではなかろうかと思います、以上述べまして反対討論と致します。
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