2005年(平成17年) 3月議会 一般質問  3月9日(水)

金 井 忠 一

1 問
通告に従い質問してまいります。
合併を控え重要な当初予算についての本議会であります。明確な答弁を求めるものであります。
政府は、はいよいよ「大増税路線」に踏み出そうとしております。
2005年度と2006年度の二年間で定率減税を縮小・廃止して3兆3千億円の増税を押し付け、さらに2007年度には消費税増税を実施に移すというシナリオにもとづいて、2005年度予算案には定率減税の半減が盛り込まれております。
 さらに負担増は、所得税の公的年金等控除の縮小、所得税の老年者控除の廃止が1月より行われ、今後6月には、住民税の配偶者特別控除の廃止、来年1月には所得税の定率減税の半減。来年6月には住民税の老年者控除の廃止、住民税の高齢者の非課税限度額の廃止など年金課税強化がされます。
結果として介護保険料や国民健康保険税も、住民税を基準にしているので上がるのであります。
年金生活者に痛みが押し付けられて参ります。さらに、消費税の免税点引き下げ、国民年金保険料や社会保険料の値上げなど、国民生活の隅々まで及んで来ます。
 このような国の施策の中で、地方自治体には、市民生活を守るためにどのような予算を組んでいくかが、今日求められているのであります。
 
そこで最初に、介護保険制度の見直しについて伺います。
 厚生労働省の言う「予防重視」は、要支援の人の8割から9割、介護度1の7割から8割をホームヘルプサービス、デイサービスなどの介護保険サービスからはずし「新予防給付」に移行させ、軽度介護者から、最も利用しているサービスを取り上げ、給付を抑制させる目的があります。
そこで第1に伺いますが、新予防給付に移る人の家族の環境は、どのように配慮されるのか、また、誰がどのように決めるのか伺います。

第2に、要支援、介護1の多くの人はホームヘルパーさんが掃除、買い物、調理、洗濯の援助をして、精神的な支えにもなり今までようやく生活が支えられてきております。老化が始まった初期にホームヘルパーが入ることで、生活の基礎を守りながら不安などの相談に乗り、病気や老化の進行や事故などを未然に防ぐことができます。これが制限され、ヘルパーさんがこなくなった場合はどのように生活していくようになるのか伺います。

次に、特別養護老人ホームの待機者の対応について伺います。
現在、上田市では、14施設に1,978人の皆さんが重複して複数の施設に入所申し込みをしております。実数では、約230人ぐらいで、緊急性のある入所必要な方は約50人というように予想をされております。
しかし、その実際の状況は直接事業所に申し込むようになったため、日々市役所ではつかめなくなってしまいました。介護保険になって、行政と介護している家庭が乖離してきました。
介護保険制度の導入がされてからは、福祉がだんだん行政の手を離れ、家庭の現実が良くわからなくなってきている現状があり大変不安であります。
そこで伺いますが、毎日の生活相談等の中で、ケアマネジャーに頼んでも、どこも一杯では入れる施設がないという相談が多く寄せられます。保険料は年金から天引きさせられているが、お願いしたサービスは受けることができないという、まさに「保険あって介護なし」の状態が起きております。
一体、病院を退院したり、家庭では介護できないような困った人は、誰に頼めばいいのか教えていただきたいと思います。

次に、介護保険料の収納率について伺います。
第1に、年金が月1万5千円以下、すなわち年18万以下の低所得の年金の高齢者です。保険料を払えないお年よりが年々増えております。このような皆さんは今後どうなるのか伺います。

第2に、今度から障害年金や遺族年金の支給されている人の年金からも、介護保険料が天引きされることになります。国は取れるところからは、どこからでもとるということですが、上田市では問題がないのか伺います。

次に、福祉対策と市長の政治姿勢について伺ってまいります。
最初に、介護者慰労金事業の削減について伺います。
この事業は、介護の労をねぎらうために行われているものであります。
今までは要介護3,4,5の者、要介護1,2のうち重度の痴呆(認知症)のために日常生活において常時介護を必要とするものに支給されておりました。
今回その内、もっとも介護が大変な認知症の家庭を市長はどういうことかはずそうと提案しております。
そこで第1に市長に伺いますが、今、なぜもっとも大変な家庭の慰労金をはずそうとするのかその理由を伺いたいと思います。

第2に、今までは、所得税が非課税の家庭や65歳以上の方が介護している家庭では年14万円、そうでない家庭は年10万円の慰労金が支給されておりました。
介護のために奥さんや、旦那さん、お嫁さんが会社を退職すれば収入がなくなります。そのような状況で介護されている家庭では、大変ありがたい制度として大変感謝されておりました。
そこで市長に伺いますが、なぜ14万円をなくし、10万円に一本化するのか伺います。

次に、重度心身障害者介護慰労金事業の削減について伺います。
この事業の目的は、「精神または身体に重度の障害を持つ者を常時介護する者に対し介護慰労金を支給し、福祉の増進を図るため」のものであります。
所得税非課税世帯または生活保護法の被保護世帯のうち、介護者が65歳以上の者、または心身障害者で市長が特別に認めたものは年14万円、それ以外は年10万円支給されておりました。今度市長はこれを、10万円だけにしてしまうと提案しております。
そこで市長に伺いますが、なぜ14万はなくして10万円だけにしてしまうのか伺います。

次に、敬老祝い金の削減について伺います。
一昨日も、田中明議員、高遠議員から質問がありました。
敬老祝い金は、「高齢者の長寿を祝福するとともに、市民に老人に対する敬愛の精神と老人の福祉について理解と協力や関心を高めてもらい、高齢者自らの生活意欲の向上を図るため」に支給されております。5年前に今までの70歳以上の支給を改正し、77歳、80歳、88歳、90歳及び99才以上の者に支給されてきました。
それを今回88歳と99歳以上に絞り、1,673万5千円浮かして、この財源で筋力向上トレーニング事業などを始めるとしております。
現在77歳以上の高齢者は戦前・戦中・戦後と苦労をされてきた高齢者の皆さんであります。
その上、年金は月2万円や3万円という低所得者の人がいる現実があります。支給されていた、77歳で5千円、80歳で7千円、90歳で1万2千円という金額は、少ない年金の皆さんからすれば1か月の年金の3割から8割にもなる金額であります。
そこで市長に伺いますが、本当に今、低所得者のお年寄りのささやかな祝い金まで減らさなければならないのか伺います。

次に、合併と地方分権型自治構築と公民館活動について伺ってまいります。
最初に、今までの上田市の合併における対応について伺います。
昨年9月に上田市で2回行われた4市町村住民公聴会では、今後のスケジュール予定として、10月8日までにすべての自治体で住民公聴会を行い、12月から2月にかけて協議結果を元に、各市町村で住民説明、意向確認を行うとしておりました。
それに基づいて、丸子町では、1月11日から26会場で854人、真田町では1月11日から36会場で1,067人、武石村では1月17日から18会場で541人の参加で行われました。その後、ご承知のとおり住民投票で住民の意向確認をしました。
そこで市長に伺いますが、上田市では12月から2月の間にいくつの会場で、住民説明会を行い、何人参加したのか伺います。
また、他町村では最終的に住民投票で意向確認をしましたが、上田市ではどのようにして最終的な意向確認をしたのか伺います。

次に、社会教育委員会の「生涯学習社会における上田市の公民館13館構想について」の提案について伺います。
昨年3月議会の安藤議員の質問に対して教育長は、公民館13館構想について、「現在までの公民館活動の成果等を検証しながら、今後のあるべき公民館像を見据え、目下教育委員が研究、協議しているところでございます。」と答弁をされました。
そこで教育長に伺いますが、一年経ちましたが、研究・協議の結果いついて伺いたいと思います。

次に、神川地区公民館・塩尻地区公民館の現状と職員配置について伺います。
神川地区公民館は、平成15年度で16団体が登録し、17,183人が利用しております。現在、職員は臨時で、一週間の中で月、水、金の三日間で、午前9時から午後4時までの勤務であります。予算の関係から、1月と8月は調整でほとんど出勤してきません。利用したい人が行っても職員がいない状態です。鍵も借りてこなければ開きません。他の公民館同様のきちんとした立派な事務室があっても中はからっぽです。
そこで伺いますが、社会教育委員会の提言を尊重して、早急に正職員を配置して、きちんとした公民館に昇格させるべきではないかと考えるが、教育長の所見を伺いたいと思います。

次に、合併後における「地域自治センター」と公民館の役割について伺います。
今度の合併は、地方分権型自治構築をめざしているとしております。
神川地域では、振興会や自治会連合会、消防委員会や消防団、下水道整備対策委員会、信濃国分寺駅利用促進協議会、公民館各分館、農協支所、小学校PTAなど各種委員会が縦横に絡み合いながら、神川地域のマスタープランを独自に作成し、公民館を中心にしながら行政と協力して住みやすい地域作りをめざし、活発な活動をしてきております。
上田市は今度の合併の中で、新たな自治の拠点となる「地域自治センター」を整備するとともに、住民の主体的な活動を支える効率的な組織と制度によって、新たな自治の仕組みを創造していくとしております。
そこで市長に伺いますが、公民館など拠り所のない地域はどのようにして地方分権型自治を育てようとしているのか伺いたいと思います。

次に、消防について伺います。
消防部長に伺います。部長は長い間消防一筋に、消防使命の達成、市民の安全安心のために働いてきたわけですが、その中で体験したこと感じたことについて率直に伺います。
第1に、過去の上田市における災害の概要と対応について伺います。

第2に、上田市の防災に対する今後の展望と、上田市消防団への期待について伺います。
以上で1問といたします。
2 問
福祉施策の削減について再度伺います。
敬老祝い金が無くなる人は、77歳が1,176人、80歳が1,037人、90歳が322人で合計2,535人になります。このような家庭の状況や、重度の障害者のいる家庭、認知症の家族を抱えて苦労している家庭の昼や夜の介護の状況を、訪問してつぶさに調査したのですか。
部長や課長、職員が誰も削減される予定の家庭を直接訪問もしない、その現状を掌握もしない、どんな影響が出るのか承知しないで、机の上だけで削減するようなことを計画したわけでは大でしょうね。
市長は、信念を持って今回の介護慰労金や敬老祝い金の削減をしようとしているのか再度伺います。
市長は来年3月6日に合併する「合併協定書」を先取りして、上田市の福祉を後退させようとしているのではないですか。せめて、温情のある市長ならば合併の来年3月6日過ぎまでは行うべきではないと思います。
市長は、生活者起点などと口でうまいこと言っているだけではないですか。何かごまかされているような気がいたしますが、市長の考えを再度伺いたいと思います。

次に、神川公民館についてですが、きちんと職員を配置しない、公民館に昇格させないための何か、問題があるのか伺いたいと思います。
私は、昇格させないで中途半端にしながら24年間も放置してきたことが、問題であると考えております。
結局のところ、神川公民館は、今までのままで、これからもきちんとした職員配置をしないでやっていけということですか。
再度、教育長の決意を伺いまして私の質問を終わりたいと思います。