平成17年(2005年)12月 一般質問

12月5日(月)
金 井 忠 一

1問
通告に従い順次質問してまいります。
上田市産院の存続について伺ってまいります。

最初に、産院で出産したことのある母親でつくる「いいお産を望み存続を求める母の会」の皆さんはじめ、趣旨に賛同して署名行動に参加して行動しておられます多くの皆さんに敬意と感謝を申し上げます。

まず、産院の閉院についての上田市の考え方について伺います。
昨年からの研修医制度の実施による全国の医師不足の状況、それに伴う長野病院の医師引き上げの現状など全国で医師の引き上げがされ大きな社会問題となってきております。このような事態の中で、上田市産院は特段何の心配もないと受け止めていたのか伺います。

次に、合併協議における産院の位置づけについて伺います。
合併協議会において合併に関する協議が整い、4市町村で2月18日に調印した合併協定書では、産院の存続についてはどうなっているか伺います。

次に、長野病院は地域の基幹病院としての役割を現在果たしているのか伺います。

総合的な診療体制が整った環境といわれている長野病院への、産院の集約化、連携が提案されております。
しかし、その長野病院は医師の引き上げによる医師不足が現在も続いております。その結果、眼科の廃止や麻酔医の減少による緊急手術が行えない状況が生まれており、一部病棟はすでに閉鎖がされています。その上、救急患者の受け入れ拒否は日常的であり、救急車さえ、他の病院に回されている深刻な現状があります。
上田地域の住民はまったく安心できない不安な状態であります。頼みは佐久病院や遠くの病院という現状であります。
そこで伺いますが、長野病院は上田地域の基幹病院になりうると上田市は考えているのか伺います。

次に、産院の閉院に対する市長の姿勢について伺います。
8月末に信州大学医学部からの医師引き上げの提案があってから、市長は廃止をすることをやむをえない、閉院も選択肢の一つである。そして、若いお母さん方の運動が高揚してくると全力で存続を目指すと述べている。
その姿勢に一貫性がなくあまりにもブレ過ぎていて、その本心がまったく私にはわかりません。
新聞報道のほうがより明確でよくわかります。そこで市長に伺いますが、どのような立場が本当なのか、市民の誰にもわかるように明確に答弁をしてもらいたいと思います。

次に、安心して子供を生み育てられる上田地域にする考えについて伺います。
最初に、市長は上田市民の生命と健康、福祉にどう責任を負っていこうとしているのか伺います。

次に、全国に自治体が経営している病院は数多くあります。しかし、産院が単科病院として残っている自治体はありません。なぜ上田市産院は全国で唯一の自治体が経営する病院として残っているのか、市長の認識を伺いたいと思います。


次に、介護保険について伺ってまいります。
最初に、介護施設の食費と居住費、滞在費の値上げについて伺います。
10月から値上げがされ、11月になり介護利用者の手元に10月分の請求書が届き、食費や居住費が保険給付からはずされ、負担増に驚いています。
老人保健施設入所者の中には月6万円が10万円に負担が増えた人もいます。数万円の値上げの請求がされた家族が何人もおり深刻な問題となっております。
その声を少し紹介します。
・請求が来てその支払額の多さに驚いた。今後、毎月払い続けることができるか将来的に不安だ。
・今回の支払いで1万5千円くらい高くなった。年金は少ないし、今度どうすればいいか悩んでいる。年寄り二人で逝ってしまうしかないのか。
・ショートステイとかを使いながら何とかがんばって介護してきた。今回の負担は息子世帯と同居だから、食事代と滞在費がかかりショートの日数を減らすよりない。しかしそれで長期の対応ができるか不安だ。
・今までショートステイを使い重度の親を看てきたが、今回の支払いの増加を考えると、在宅の介護はやめて施設にお願いして、私がパートに出て施設の支払いに当てるようにしていきたいと考えている。介護保険が今まで以上に在宅介護を支援する制度から離れていってしまうようである。等々の意見をいただきました。
そこで、第1に、10月からの値上げに対する影響について上田市ではどのように実態を捉えているか伺います。

第2に、介護サービスを利用しているお年寄りに対する影響について伺います。

次に、保険料の減免と利用料の軽減について伺います。9月議会でも市長に質問しました。すでに3カ月が経ちました。現在上田市が独自に行っている、先進的な制度である介護保険料の減免と、8種類の介護サービスの軽減いついてどのように検討がなされてきているのか。来年度以降も制度として継続して行うのか、市長の明確な答弁を求めて1問といたします。

2問
最初に、産院の問題ですが、長野病院の医師引き上げが起こってきた中で、産院についても当然心配がされたわけですが、信大医学部には産院の医師の問題についてはどうなるか確認をしたのですか。
8月末に信大医学部から通告されるまで、その対応を怠っていたのではないかと思われますが如何か伺います。

次に2月18日の4市町村合併協定書では、「上田市産院は新市に引継ぎ、次のとおりとする。名称は。上田市産院とする。事業については現行のとおりとする。」としております。協定書からすれば、産院の閉院は4市町村の合併における協議の前提が崩れることとなるのであります。
そこで伺いますが、産院の閉院は協定書の誠実な履行に反しないか伺います。

次に、長野病院の問題ですが、現在の長野病院で、少しの医師を補充すれば、産院で分娩してきた分と、11月で辞めた民間医院の分の分娩はカバーできる可能性はあるのでありましょうか。また上田市産院の現在持っている機能を維持継続できるのか併せて伺います。

次に、集約化しようとしている相手側の長野病院や院長は産院や、民間医院の分まで受け入れる態勢を整えることを表明しているのか伺います。

次に、市長に伺いますが、集約化しようとしている現在の長野病院についてですが、真に、地域住民が安心してかかれると基幹病院と認識しているのか伺います。

次に、現在市民病院を運営している多くの自治体は最初産院だけの単科病院として出発している中で、自治体として住民の健康に責任を追う立場から総合病院になってきている経緯があります。
上田市は、旧東信病院や市内の個人病院にあまりにも頼りすぎてくる中で、単科の施設として産院のみが残ってしまったのではないかと思われます。
医師が確保されれば、現在の産院を当面存続できても、基幹病院としての長野病院の現状を見るにつけ、数年経てばまた、現在と同じような問題が繰り返されて生じてくるのではないかと思います。
そこで伺いますが、今後、新市の中で長期的展望にたった新しい産院の建設や総合的な自治体病院が上田地域にはなんとしても必要と思われるが、考えを伺います。

次に、介護保険についてですが、今回の急激な負担増に対する軽減対策について伺います。
このままでは介護保険料だけは有無も言わさず年金から天引きされ、サービスを受ければ利用料の1割負担があり、その上食費や居住費、滞在費も上乗せして払わなくてはならないという二重の負担であります。介護保険制度をだんだん国が勝手に改悪して、お年寄りは金を取られるだけになってしまいます。本来のサービスを安心して受けることさえできなくなり、国家的な詐欺にあっているようであります。まさに保険あって介護なしです。
そこで伺いますが、食費などの一部について軽減する、市独自の利用料補助制度を作るべきではないかと思うがどのように考えるか伺います。

次に、今まで上田市で実施してきた介護保険料の減免や利用料の軽減について、市長は「結論が出る前に何度も報告やらすりあわせをする場はあるので、自分なりの意見を申し上げてまいりたい」と答弁しております。
 しかしこのままで合併になってしまいます。市長は合併するまではうまいことを言っているだけではないですか。上田市の福祉を後退させない決意をすべきであります。
市長の決断の言葉をいただきたい。以上で2問とします。


3問
県内他市の中で衛生費と民生費の支出を比較してみると、15年度の決算ベースで衛生費と民生費の合計では、市民病院がある、飯田市では31.7%、岡谷市では32.3%、東御市は29.2%、市民病院のない上田市は25.8%であります。
 他市と比べて上田市は、医療や福祉に対するお金をかけてない現実が数字から読み取れます。
もっと上田市は医療や福祉にお金をかけてもよいのではないですか。
いつでもどこでも誰もが安心して、24時間かかれる病院が上田市に求められているのではないでしょうか。
小手先でなく、上田市民の生活や安心に対する総合的な対応を長期的視点から検討することが、自治体の果たす役割でもあります。今回の産院の問題は、長野病院のあり方や上田市の今後の医療福祉の体制の抜本的な問題を提起しているのであります。
 そこで再度市長に伺いますが、新しい施設の建設については本当に考えられないのですか。市長の決意を伺いまして私の質問を終わります。