平成18年(2006年)12月議会 一般質問
2006年12月6日
金 井 忠 一
1問
通告に従い質問してまいります。
最初に長野病院の今後のあり方について伺います。
第1に現状についてであります。
長野病院は、入院や手術が必要な救急患者を受け入れる2次救急医療機関であり、地域の基幹病院であります。しかし、4月から常勤麻酔科医がいないため、夜間の緊急手術に対応できない状況で、救急患者が他の医療機関に搬送されている現状があります。上田地域消防本部の統計によれば、上田地域では、長野病院への救急搬送人数は、平成15年2,264人が平成17年は2,077人と187人減っております。また、長野病院からの他の病院への転送搬送件数は平成17年84件、内訳は佐久病院15件、長野赤十字9件、その他医療機関60件です。長野病院で収容不能件数は,平成17年226件です。その内訳はベッド満床46件、処置困難42件、手術中29件、専門外21件、医師不在11件などとなっております。また、上田広域館内で佐久病院への搬送人数は平成15年195件、平成17年306件と111件増えております。
周産期医療に関しても、新生児救急の受け入れは可能でも。産科救急は麻酔科医の不在により受け入れができない症例も多い状況であります。
420床のベッドは、現在2階病棟を50床閉鎖し、370床で運営しております。入院1日あたり平均患者数は平成18年度4月から8月まで平均310.2人であり、平成17年度実績334.2人から24人減少しております。
現在370床で運営しているのに、利用できるベッドが60床も空いているということになります。
そこで伺いますが、常勤の麻酔科医がいなくなってからの入院、通院、救急搬入状況についてはどのようになっているか伺います。
次に、現在の長野病院における、麻酔科医の現状と経営における影響について伺います。
次に、二次救急医療機関としての長野病院の役割について伺います。
最初に、どのような役割を担っているのか伺います。
次に、長野県とのかかわりについてはどのようになっているのか伺います。
第2に、住民の願いに応えられる病院について伺います。
上小地域から佐久、小諸、篠ノ井地域の病院に入院している人は、平成12度は2,990人でした。平成17年度は4,129人になっております。
中核病院があるのに1,100人も地域外に患者が流れているのであります。
そこで最初に伺いますが、現在の長野病院に対して、住民が何を切望しているのか、このことについて上田市はどのように捉えているか伺います。
次に、長野病院は上田地域の中においては、現在どのような役割を果たしていると考えているのか伺います。
第3に、今後のあり方について伺います。
率直に申し上げて、長野病院は上田地域の住民の安全や健康を守るという点でも、専門的医療についても、心から安心できる病院かという不安があります。
しかし上田市はこの長野病院建設のために、上山田病院の後医療対策事業として平成9年から13年の5年間に約10億円の補助金を支出しました。
また、周辺道路・街路整備事業等に約20億円、合計約30億円もの税金を支出して現在の長野病院が建設されているのであり、けっして無にすることはできません。
長野病院が市民にとって安心できる病院であると期待されるためには、思い切った対策が必要であります。
そのためにもまず常勤の麻酔科医の確保は決定的であります。
そこで市長に伺いますが、今こそ、長野病院と二次救急病院に指定している長野県と地元の上田市が、現在の深刻な問題点をきちんと共有しその打開策を見出すために、トップ会談をする必要があると思いますが、市長の所見を伺いたいと思います。
次に上田市産院の移転改築と今後の体制について伺います。
上小地域では産院の他に長野病院と2つの民間医療機関があり、お産を取り扱っております。年間約1.880件のお産を扱い、産院では医師2.5人で700人以上の出産を取り扱っております。産院の現状はすべての面ですでに限界に達していると聞いております。
上田市産院は「赤ちゃんにやさしい病院」を基本理念にフリースタイルお産、カンガルーケア、母乳育児支援を長年実践してきており地域で期待されている病院であります。
そこで第1に、産院の現状について伺ってまいります。
最初に、利用状況について伺いたいと思います。
次に、現在の施設の現状をどのように捉えているのか、問題点についてはどのようなことがあるのか伺います。
第2に、移転改築について伺います。
産院は昭和43年に建設され、38年経過しており狭隘な施設である上に、年間のお産件数が700人以上であるということ、耐用年数等を考えると移転改築についても検討する必要が生じてきていると考えられます。
そこで伺いますが、今後の移転改築についての予定はどのように考えているのか伺います。
第3に、今後の上田地域における「安心してお産ができる」産科体制について伺います。
最初に、長野病院の体制強化について伺います。
上田市の産院が求められている期待に応えていくためにも、この地域に救急医療を担う専門職である常勤の麻酔科医が不在という非常事態を、このまま手をこまねいてみていることはできません。
数年後には、長野病院の産科医師も定年を迎えられると聞いております。
しかし、麻酔科医がいない状況では、医局等からの新たな産科医師の派遣もされなくなり、最悪の場合には長野病院の産科はなくなってしまうことさえも予想されるという大きな不安があります。そうなれば上田地域ではお産が安心してできなくなります。
そこで伺いますが、長野病院の体制強化についてはどのように考えられているのかその考えを伺います。
次に、上田市産院の体制強化について伺います。
昨年は医師の引き上げという大きな問題が発生し、住民の大きな運動の中で、医師の確保がされ当面の緊急事態は回避されました。しかし、基本的な問題は解決されておらず、数年後には施設の老朽化とともに医師の確保の問題が生じてまいります。
今後、医療スタッフである医師や助産師、看護師等の確保の見通しはあるのか。また、持続的な医師等の雇用の確保のための明確な給与水準の確保に向けての展望はあるのか。
産院の持続的運営のための体制強化の改革については、今後どのようにすることがよいと考えているのかその考えを伺います。
次に、産院の維持発展のためには長野病院を含めた上田地域の医療体制の強化が絶対的に必要であります。そのためには関係者がひざを交えて話し合いをする必要があります。
長野病院の院長は上田市や、市議会からの呼びかけがあれば参加することを表明しております。
上田市が主体となって呼びかけて関係諸団体や有識者とともに、医療体制強化のための研究会やプロジェクトチームを発足させていくことが必要と考えます。
そのことは、現在の長野病院に対しての市民からの一方的な批判や不安から、長野病院の持つ機能を十分発揮して、救急患者や重症患者の受け入れができ、長野病院と各病院や診療所との連携が進み、急患搬送、重症患者の紹介が促進され、地域住民にとっては今失われている安心をもたらすことが期待できます。
そこで市長に伺いますが、切迫している事態を政策的にも展望できるような、研究会やプロジェクトチームの立ち上げについて、どのように考えているのか所見を伺いたいと思います。
次に、障害者控除対象者認定書について伺います。
4月からの税制改正で、65歳以上で所得が125万円以下の人は住民税非課税という仕組みが廃止されました。そのことにより、6月から市県民税は一気に上がり、多くの高齢者からの問い合わせが市役所にあったと聞いております。
一方、所得が125万以下の障害者は、住民税非課税という仕組みは今まで同様に残っております。しかし周知が十分にされておらず、公平性が確保されておりません。
対象となる障害者や家族に対して、どのように対応しているのか伺います。
次に、要介護認定者の障害者控除の対応について伺います。
旧厚生省は1970年に高齢者の所得税法上の取り扱いについてという通知で、障害者及び特別障害者であることの認定は市町村長が認定書を交付することにより行うとしております。
介護認定を受けている場合は、障害者控除対象者認定書を発行してもらえれば、障害者控除ができることになっております。
そこで伺いますが、介護保険の要介護者への対応はどのようにしているのか伺います。
次に、障害者控除対象者認定書について、発行する高齢者介護課と申告を受付する税務課とで十分協議する必要があると思います。とりわけ、障害者を抱えている家庭では家族の負担は大変であります。主管課がそれぞれの立場で障害者や家族に理解ができて、負担にならないような方策を検討して実施していくことが大切であります。
そこで伺いますが、来年の申告に向けて、それぞれの対象者に対して、個別の通知をするなどして徹底すべきであると思うが、具体的な方法についてどのような対策を考えているのか伺いまして、一問とします。
2問
長野病院についてのトップ会談についてですが、トップ会談は美ヶ原の上だけでなく平地でもしっかり行ってもらいたいと思います。そして、現在の閉塞した状況を打開していただきたいことを要望しておきます。
産院の移転改築についてでありますが、昨年の医師の引き上げによる産院の閉院についての大きな運動も「のどもとすぎれば熱さ忘れる」の間があります。抜本的に考えるには、対処法的なやり方である老朽化したところや医療機器の整備や更新しているだけではなく、仮称「産院改築検討委員会」などを設置して短期的、中期的、長期的に考えていくことが必要になっていると考えるが、その考えについて市長に伺います。
診療科目の充実について伺います。長野病院が中核的な病院としての責任を果たしていただくことを強く要望いたしますが、しかし、長野病院が今後どのようになろうとも、上田地域のお産に対する責任は上田市にはあります。
産院がその責任の一端を担うとすれば、そのためには独自に産科、婦人科、小児科、麻酔科がそろった新産院が求められます。
市長は提案説明で「新市全域の基幹となる保健センターの建設事業についても着手していく」と述べております。そうであるならば、それと共にその隣接に産院が移転改築できるようになれば、子どものお産と発育における一体感のある行政が期待できます。そして、医師の確保についても一層の弾みがついてまいります。
ご承知の通り、上田市産院は日本でただひとつの自治体が経営している産院です。
そこで市長に伺いますが、私は「日本一子どもにやさしいまち・上田市」のスローガンを掲げて、子どもを産みたくなるような上田市を目指すべきであると思います。診療科目も充実させた産院づくりについての決意を伺い、私の質問を終わります