「格好良い」ということについて
「格好良い」という概念とは、思っているよりずっと曖昧なものです。
様々な場合の形容詞に使われることからも、そのことが解ります。
車・飛行機等の乗り物類、建物の威容、人の容姿、果ては人の行動にまで
その形容詞として使用されることからもそれが伺えます。
また、それを観察する人の価値観から変化することから、一意的な価値を
持つものでもありません。
にも関わらず、「格好良さ」は商品によく転用されます。
先程、言いましたが「格好良さ」は受け取る人間の価値観から決定されます。
それを商品に転用しようというわけですから、「格好良さ」という曖昧な概念の
最大公約数を見つける必要があるわけですね。
これは、なかなか大変な作業でしょう。コツを掴むまで一苦労です。
反面、人の価値観が多様であるために、まるきり「外れる」心配も無いと言えるかも知れません。
しかし、結局損益分岐点を超えない限り、それは「外れた」事になりますから、
商売としては「失敗」から逃れ得ないわけですが。
さて、「格好良さ」を売りとする商売には、芸能人とか、一部の写真集、ある種の小説/漫画、
他にも様々なものがあります。
で、本題です。
これ、どうよ?
見ましたか?見ましたね?以下は見た前提で続けます。
仮面ライダーに興味が無い人はこの先つまらないかも知れませんが、暇だったら先を見てやって下さい。
では、後半開始。
子供向けのヒーローって、格好良さが最重要課題だったような。あれ、変だな?
いや、私これ最初に見たとき、誰かの悪戯だと思いました。ネットだしね。
そう言った諧謔が好きな方も沢山いらっしゃいますし。
だって.....ねえ?
恥ずかしながらいい年の、私の感覚がもう古いのかもしれません。
とりあえずよ〜く見て、何とか自身を納得させた後、思考を擁護のステージへ移行しました。
誰に対する擁護かよく分かりませんが。
「ふ、ふ〜ん。今度のライダーは何か黒っぽいな。まあ、驚いたけどこれはこれでよく見ると良いじゃないか」
「そういえば、ライダー同士戦うとか。きっとこの赤い不格好な奴がライバルなんだな」
「まあ、ライバルを主役より整ったデザインに出来ないしな。成る程」
まさか、「この赤い不格好な奴」が主役だとは思いませんでした。
大丈夫ですか、これ? 擁護しきれねぇよ。
っていうか、その変なマスクはネプチューンキングにでももらったんですか?
もしかして、新世代悪行超人の完璧超人陣営所属の方ですか、貴方?
組んでみれば解るかな? 「お、お前は喧嘩マン!!!」ってな感じで。
文句をブチブチ言いながらも、期待10分の1、心配10分の9で放映日を待ちました。
だって、最新作だし。動けば格好良いに決まってます。シド=ミードもそういってました。
それに、自分の勝手な期待がありました。
きっと、あの変なマスクは龍騎が本気を出すときに外れるんです。で、色も変わるんです。青辺りを希望。
アギト・クウガにも似たような設定がありました。絶対そうだ!!
運命の放映開始。主題歌はサトシ君でした。私、ポケモン見たことありませんが、この人は有名だから知ってます。
サトシ君、以外に歌上手いです。驚き。
番組も半ば、いよいよ主役の登場です。さぁ、アクションシーンです!
駄目じゃん。格好悪りぃ〜。
まぁ、第一話は主役たる龍騎に見せ場がほとんど無かったので、しょうがないとしましょう。
それにナイト君が大暴れで、それなりに格好良かったので、まぁ許しましょう。
で、第二話。今回から龍騎も本格的に戦闘するようです。
殺陣も、まぁ今回は良かったと思います。見た目格好悪りぃけど、デザインのせいだし。
二話も佳境です!さぁ、お約束の止めタイムだ!!
(ライダーキックとかリボルケインとか大切断とかの時間のことです)
色が!色が.....変わらない、っと。
マスクが!マスクが.....そのまま、っと。
あれ?やられちゃったよ、モンスター。
やっぱり駄目か。
私、この手の番組を鑑賞するときは、変に評論家ぶらず童心に戻って楽しむことにしてるんですが、
それでも、ちょっとアレだよなぁ。
とりあえず、ここ数年のお約束で放映半ばで姿が変わるはずなので、それを待つことにします。
今度は、期待してます。 10分の1ぐらい。
つか、ホントは結構期待してるんで頑張って欲しいです。
さて、龍騎を評して「ガスボンベ」みたいだ、と言われた方がいます。
私、かなり良いセンスだと思いました。「格好良い」です。
是非、ヴァージョンアップの際には、「ガスボンベ」が「ガスタンク」にならないよう、
節にお祈り差し上げる次第でございます。
大きくなれば、良いってもんじゃありません。
仮面ライダー龍騎への愚痴と期待 了