思い出話1 =鉄拳シリーズを好きになった理由=
鉄拳シリーズを本格的に始めたのは、3のアーケード版が稼働し始めた頃でした。
それまでにもプレイステーション版で鉄拳1,2をプレイしてはいたのですが、今のように突き詰める様なことはなく
多くのアクションゲームと同じく、クリアしたら見向きもしないという程度にしかプレイしていませんでした。
そんな私が、鉄拳を僅かながら研究気味にやらなければならなくなったのは、レクリエーションの為でした。
以前勤務していた会社には妙な風習があったのです。
それは、飲み会などの後に社に戻り、麻雀なり持ち込んだゲーム機なりで遊びながら夜を明かすという風習です。
麻雀が打てない私は、自然にゲーム機側に混ざることになるのですが、そこでよく使われたソフトが鉄拳シリーズです。
楽しむためには、どうしてもそれなりの技術が必要になってしまいます。
私は、それなりに自己流で練習を始めました。しかし、まだ大したことはしませんでした。
リーというキャラクタを使って初心者泣かせの技、レイザーズエッジキックコンボをあたりやすい所で出すことだけ考えているような感じです。
この時点では、まだ義務感から鉄拳をやっているような感じですから、手間を掛けたくなかったんですね。
そんな私を見かねたのか、会社の先輩がミシェールを進めてくれました。
鉄拳をご存じの方なら解るかと思いますが、ミシェールは複雑なレバー操作を伴う技に頼らずとも、ある程度の戦いが出来るキャラクターです。
まさしく、私にはうってつけでした。1連の基本技を教えてもらい、それなりに形になりました。
この辺りから「 戦法 」をようやくまともに考えるようになりました。まだまだ拙いものでしたが。
と、先の先輩がゲーセンに誘って、連れ出してくれるようになりました。時は3稼働時からしばらくたったところ、
丁度ミシェールの技を受け継ぐキャラクタ、ジュリアが出始めた頃です。
ゲームセンターでの対戦はそれが初体験でしたが、すぐにその虜になりました。
不特定の会話すら交わしたことのない人と、ゲームで勝負出来る、というのがたまらなくおもしろかったのです。
ある時など会社が23時30分に引けた後、件の先輩に「30分出来ますよ!」とかいって
24時閉店のゲーセンに行ったぐらいにはまっていました。翌日も仕事なのに。何回か同じ事をしました。
良いときは長く続きません。その内に壁にぶつかりました。ある程度以上のレベルの人に勝てないのです。
現在から考えると余り高い壁ではなかったのですが。
そんなある日、件の先輩と口論になり(鉄拳に関係ありません。後日考えると明らかに私に原因がありました)それが原因で疎遠になってしまいました。
自然、鉄拳からも離れ気味になりました。
プレイステーション版3が発売された後も一応買いましたが、以前のような熱はありませんでした。
そのころ漸くインターネットを始めたのですが、あるページが私の鉄拳熱を復活させます。
残念ながら今は閉鎖されてしまったそのページは、いとけんの鉄拳のページ というページでした。
鉄拳好きの方々ならご存じかと思いますが、鉄拳好きの総本山の様なところでした。
高レベルの人々が、日々戦術を熱く語り合っている掲示板は見ているだけでおもしろかったです。
取り分け、私が目を引かれたのはタイムアタック・サバイバルの記録集計をとっていることでした。
これなら自分も参加できるぞ、と。タイムアタックに参戦を始めました。
最初に、登録したのはシャオユウの記録でしたでしょうか。確か、6位程度の記録だったと思います。
その後も順位が、上下する毎に一喜一憂していました。
と、目を引く人がいました。scc(当時、CCレモンのCM好き)さんです。
殆どのキャラクタでトップから上位を占めています。凄い人がいるもんだ、と驚いたことを覚えています。
数日たち、sccさんがwebページをお持ちだということを知りました。
早速行ってみると、タイムアタックに関する情報が多数載っております。
多大に参考にさせていただきながら、自分の記録を伸ばしていきました。
ある日、sccさんのwebページの掲示板で、未だ解析前であったキャラクタ、ニーナについて「 現在解析中近日発表 」との書き込みがありました。
日頃からお世話になっていた私は、お礼の意味でごく軽い気持ちで、「 いつも参考にさせていただいています。頑張って下さい。 」
という内容の書き込みをしました。多分、返事はないだろうけどいいや、って感じで。
すると返事が無いどころか、想像以上に丁寧なご返事を頂き驚きました。sccさんはもちろん、常連の方々からも。結果的に以後、常連の一人になってしまいました。
技術指導も頂き、私もちらほらと良い成績を出せるようになってきました。
そんな折り、「個人作成の鉄拳ビデオを作らないか」というお話を頂きました。
掲示板の常連5人ぐらいが主になって、対戦・タイムアタック・サバイバル何でもありありのものを。
技術的にはお恥ずかしいレベルだったので、タイムアタックのみで参加致しました。
本当はおこがましいのですが、参加者にはダビングしたビデオが配られる、ということで思い切って参加しました。
完成したビデオをいただき、鑑賞しました。禄な知識もない私には、本当に素晴らしいものでした。
コンボの部分など、画質が劣化するくらい何回も見せていただきました。
そんなある日、sccさんと常連の一人松本さんが同じ県内に住んでいることが解りました。
それを知った、2人が会いに来てくれることになりました。嬉しいのですが、反面恥ずかしかったです。自分に技術が無いのが良く解っていましたから。
それでも、折角の機会です。勇気を出してお会いする事にしました。
そして、当日を迎えます。
当日は会社は休日だったのですが同僚に不幸があり、社員全員で葬式に出席しておりました。
葬式が終わった後喪服から平服に着替えるため、会社へと戻ったのですが、
着替えの最中に、今日ネットで知り合った鉄拳が上手い人と初めて会うんだ、という話を披露しました。
すると、私に鉄拳を教えてくれた先輩が自分も一緒にいっていいか、会ってみたい、と言います。
私が無礼を働いてから、禄に口も聞いてもらっていなかったので少々驚きましたが、私は2つ返事で了承しました。
結果的にこれ以後、件の先輩との関係は元通りになりました。
一度、遠回し(素直じゃないので)に謝罪したことがあるのですが、やはり遠回しに「気にするな」という内容のご返事を頂きました。
本当に自分は人に迷惑を掛けて生きているな、と赤面する次第です。
その会社を辞めて3年も経ちますが、件の先輩とは未だに懇意にさせていただいています。
さて、件の先輩ともう一人親しくさせていただいている先輩との3人で、sccさん達に会いに行きました。
そうして、最寄りのゲーセンへ行って対戦したわけですが、想像以上にレベルの差がありました。
手加減をしていただいてたまには勝たせていただけるのですが、現実に勝負になっていないのは自分が一番良く解りました。
ですが、大変に楽しかったです。鉄拳とはこういうものなのか、と目が覚める思いでした。
しばらく経って、今度はこちらからお伺いしました。
sccさん達のホームである、ゲーセンは大変にレベルが高く驚きの連続でした。
しかも、自身から見れば高いそのレベルが平均でした。その後も何度か行っています。
しばらく経ち、いとけんの鉄拳のページの記録集計が終了します。最終的には6キャラトップを取れているという出来すぎの結果でした。
そして、時代は鉄拳TAGへと移っていきました。もう鉄拳熱が冷めるような事はなく、現在に至っています。
私の中に「 鉄拳 」が根付いたのはこのような経緯です。
この稿はここまでです。読んでいただき、ありがとうございました。