浅間山の火山周辺地形(御代田町・佐久市)
 浅間山山麓の軽井沢町から小諸市にかけては浅間山の火山活動によって直接的にあるいは間接的に形成された地形がいく つか見られる。一つ目は”田切地形”と呼ばれるもので、凹の字をした、底の平らな谷地形が発達している。 これは浅間火山から放出された柔らかい噴出物を河川が削ってできた地形で、谷底は水田に利用されていることが多い。 写真は御代田町 塩野で撮影。 

 田切地形の谷の壁は浅間軽石流と呼ばれる、およそ1万年ほど前に浅間山から流れ出した白色の軽石層から成る。この軽 石流は2回にわたって噴出し、それぞれ”浅間第一軽石流””浅間第二軽石流”と呼ばれている。写真の粒状に見えるもの は全て軽石である。小諸市で撮影。
 二つ目は浅科村〜佐久市にかけて見られる塚原泥流と呼ばれるもので、上の写真の所々にこんもりとした小高い丘状の地 形があるが、これらは浅間山の外輪山に当たる前掛山が爆発した際、山体の一部が大小のブロックとなって、ここまで流れ 下ったものである。この丘の一部が工事などで削られた部分を見ると黒〜赤褐色の凝灰角礫岩や溶岩岩塊が詰まっている。 丘は主に墓地として利用されているが、塚原という地名はここから由来したものであろう。 写真は佐久市塩名田付近に点在する泥流ブロックと内部を削った部分。                                  (宮坂 晃)