浅間山の火映現象
火映現象(火映)とは、火山の火口の中に赤熱した高温のマグマや岩石が露出している場合、夜間に そのマグマや岩石からの微かな赤い光が、火口上にある噴煙または雲に反射して映り、赤く見える現 象で、様々な火山で確認されている現象である。明るい場合は肉眼でも確認できるが、暗い場合は肉 眼で確認できなくても、カメラで数秒から30秒程度の露光で写る場合がある。  (↓) 2004年11月7日3:13 群馬県嬬恋町嬬恋ブルワリー付近より撮影 30秒露光
浅間山の場合、1973年2月の噴火で数日前に火映が捉えられ、2002年9月には気象庁軽井沢測候所 に設置されたばかりの高感度カメラが1973年以来の火映を観測した。 (↓)2004年11月16日22:20 長野県東御市 池の平湿原付近の尾根より黒斑山 越しに撮影
 2004年7月下旬から微弱な火映が観測され始め、9月1日の噴火1週間前である8月24日に比較的明る い火映が観測された。その後は引き続き2005年秋頃まで、2008年夏や、2009年2月頃にも観測された 記録がある。 (↓)2004年11月17日1:18 群馬県嬬恋村鬼押出し園駐車場より撮影
 一般には、月が出ていない、良く晴れた日が火映撮影のチャンスであるが、月が出ていても火映が 強かったり、条件が整うと、火映と山体の両方が写る、美しい写真となる。 今回紹介する写真は、2004年9月の噴火以降続いた浅間山の一連の噴火活動によるものである。 (↓)2004年12月21日23:27 群馬県嬬恋町付近より半月過ぎの月光の中撮影


(↑)2004年12月22日0:33 群馬県嬬恋村鬼押出し園駐車場より半月過ぎの月光の中 撮影                                (森嶋 光) <参考文献>  早川由紀夫ほか(2006)浅間山 2004 年噴火:噴出物調査とインターネット掲示板によるリスク・ コミュニケーション,地学雑誌,115(2)149171 気象庁 平成16年7月 地震・火山月報(防災編) 気象庁 平成16年8月 地震・火山月報(防災編) 気象庁 平成16年9月 地震・火山月報(防災編) まえちゃんねっと
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