別所層(坂城町・上田市)
  別所層は、フォッサマグナ(大地溝帯)が  開き、激しい火山活動によって、いわゆる  グリ−ンタフが堆積し、その後火山活動は収  まって、比較的地殻変動の穏やかだった時代  に海底に堆積した黒色泥岩を主とする地層で  ある。   この地層は、松本市の北の田沢・四賀村・  上田市別所温泉・真田町・坂城町・戸倉町・  松代町・須坂市などに分布している。   この地層からは、四賀村では鯨・トド、  上田市小泉ではイルカなどのほ乳類の化石が  発見され、哺乳類以外に魚類化石、軟体動物 (二枚貝)、有効虫、植物化石など、豊富に  化石を産する。   写真は上田市伊勢山の別所層黒色頁岩。
 魚類骨格化石(約15cm) 上田市 山口産 産出する魚類はニシン科・ハダカイワシ科・ソコダラ科・タイ科などで、これらの魚類の 鱗(うろこ)化石が各地で大量に産出する。
 坂城町小網産 クモヒトデ(4.5cm)
 上田市 小泉 大日堂に保存されている県の天然記念物指定のシナノイルカ。 全長1.2m。頭蓋・下顎・歯・舌骨・頸椎・胸椎・肋骨・肩胛骨・手など、ほとんど全身 がそろった貴重な化石である。このお寺の裏山の別所層から産出した。  大日堂では、この化石のほか、鯨の肋骨・脊椎や魚の化石など、珍しい化石が展示さ れている。(入場料100円)   <参考文献>    加藤碵一・赤羽貞幸(1986) 長野地域の地質.地域地質     研究報告(5万分の1図幅),地質調査所.    加藤碵一(1980) 坂城地域の地質.地域地質研究報告     (5万分の1図幅),地質調査所,14p.    信州地学研究会 (1985) 長野県地学図鑑    信州理科教育研究会 (1994) 大地は語る                     (宮坂 晃)           
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