●褶曲(しゅうきょく)(fold)
地層は本来は水平に堆積するものであるが、地球内部の力によって波形に屈曲したものを褶曲と
いう。その波形の山にあたる部分を背斜と呼び、谷にあたる部分を向斜と呼ぶ。
背斜・向斜の両側の地層を褶曲の翼と呼ぶ。
●断層(fault)
地層中に見られる割れ目のうち、その両側が相対的に食い違いが見られる構造を断層といい、
その境界面を断層面という。
断層面の上側を上盤、下側を下盤という。上盤が下盤に対してずり上がるようなずれを示して
いるものを逆断層(reverse fault)といい、上盤が下盤に対してずり下がるようなずれを示して
いるときは正断層(normal fault)という。
●横ずれ断層
断層面に沿うずれの方向が水平方向の成分が大きいものを横ずれ断層という。断層をまたいで
立ったとき、左側の岩盤が手前方向にずれているものを左横ずれ断層、右側の岩盤が手前方向に
ずれているものを右横ずれ断層という。
●構造線(tectonic line)
地質区を分けるような大きい断層を特に構造線という。
長野県にはフォッサマグナ区の西縁に糸魚川−静岡構造線(ISL)、西南日本を内帯と外帯に区分
する中央構造線(MTL)などが存在している。また、長野県はこの2つの構造線が交差している日本
で唯一の場所である。
●地質区
岩石の分布状態や地質構造が共通の特徴を持っている地域を、〜地質区、〜区と呼ぶ。
この地質区の形態が帯のように細長いものを〜帯と呼ぶ。
(使用例)フォッサマグナ区・グリ−ンタフ区・三波川帯・秩父帯 など。
●フォッサマグナ(fossa Magna)
新生代 第三紀 中新世中期に、本州の中央部でそれまでの帯状構造を切って、北西から南東方向
に陥没運動が発生した。この陥没した地域をフォッサマグナ区、または単にフォッサマグナと呼
んでいる。Fossa Magnaとはラテン語で”大きい溝”という意味で、明治政府によって日本に招
聘されたドイツ人の地質学者エドモンド・ナウマン(1885〜1927)が命名した。