羽毛山の大杭層(東御市)
A.千曲川河床
B.軽石質凝灰岩
 北御牧村の羽毛山集落の東、東電取水ダムの下の千曲川河床には、広く石畳状になった露頭が広がっている。 (写真A) ここに現れている地層は小諸層群の大杭層と呼ばれる地層で、およそ130万年ほど前のものである。 主に砂岩・シルト層などから成るが、この中に白色軽石質凝灰岩が挟まっている。(写真B)この凝灰岩の直下 の地層からはアケボノゾウ(象)の化石が多産し、ほとんど全身骨格の化石も2体発掘されて、現在、北御牧村 教育委員会により組み立て作業や研究が進められている。  また、凝灰岩層の下には、写真Cのようなへこみが多数あり、これは象の足跡化石であることが判ってきた。
C.アケボノゾウの足跡化石
D.羽毛山産出の鹿の角化石(長さ40cm)
 この場所からは、象の骨格・足跡化石ばかりではなく、他の(例えば鹿の角や鹿の足跡化石)動物の化石も 報告されている。千曲川が増水して河床が洗われた後で行ってみると新しい化石が発見できる可能性がある。 <参考文献>         北御牧村誌編纂委員会 (1999) 北御牧村村誌 自然編                                       (宮坂 晃)