峠の向こうは他県という峠が多いなか、田口峠は不思議だ。その向こうも長野県だ。山が県境になっている事
が多いのは中世封建時代の名残だと思うが、この峠をだいぶ下がって大自然に覆い尽くされるようにして広河原
集落がある。ここには自然の洞窟がいくつかあり、県の天然記念物に指定されている。
田口峠は、どちらから上っても、まず秩父帯の中古生層、その上に新生代の内山層、もっとも高い所には兜岩
層が現れていて、広河原の洞窟は一番下の秩父帯のチャート層のなかに点在している。
(上写真)本穴。奥の深いところは水が溜まって地下湖が形成されている。