●火成岩(ignious rock)
マグマが冷却してできた石を火成岩という。火成岩の分類はマグマの冷え方と組成で分類される。
マグマが地下でゆっくり冷えると鉱物結晶ばかりからなる組織(等粒状組織)になり、このよう
な組織を持つ石を深成岩という。一方、マグマが地表に噴出して急に冷えるとガラスの部分が存
在する組織(斑状組織)になる。このような組織を持つ石を火山岩という。このようにマグマの
冷え方によって火山岩、半深成岩、深成岩の3種類に分類される。
次に、マグマの組成に注目して火成岩は4種類に分類される。マグマの中にはSiO2(二酸化
珪素)と呼ばれる成分が含まれており、この量の違いに注目して、二酸化珪素の多いものから順
に、酸性岩、中性岩、塩基性岩、超塩基性岩と分ける。
先に述べた冷え方による分類と、後で述べた組成の違いによる分類とを組み合わせて火成岩の
名前が決まる。
●火山砕屑物
火山の噴火とは、よく振った炭酸飲料の缶の栓を開けるようなものである。マグマの中には大量
の気体成分(主に水蒸気と二酸化炭素)が含まれており、これが地表付近に上昇してきて圧力が
下がると一気に発泡して地表に吹き出す。これが噴火である。
この時には固体物質も吹き飛ばされて大気中に放出される。これを火山砕屑物という。このうち、
粒子の細かいものを火山灰といい、比較的大きいものを火山弾や火山礫という。
●凝灰岩(tuff,ash)
火山の噴火によって放出された火山灰が地表または水底に堆積し、固結してできた岩石。
●軽石
火山砕屑物の中で、火山ガスの発泡のため多孔質になった石。このうち、白っぽいものはパミス
と呼ばれ、黒っぽいものはスコリアと呼ばれる。
●グリ−ンタフ(green tuff)
日本列島は新生代 第三紀 中新世中期(2300万年前〜1600万年前)になってフォッサマグナ地域
や日本海側を中心に活発な火山活動が起こり、この時噴出した溶岩や火山灰などが厚く堆積し、
その後の変質作用によって緑色の色調を呈する岩石になった。この岩石を一般にグリ−ンタフ
(緑色凝灰岩)と呼んでいる。グリ−ンタフは、もともとの火成岩中に含まれていた長石や輝石な
どの鉱物が緑廉石や緑泥石などに変質し、これらの鉱物が緑色なので全体に緑がかった色に見え
ているのである。グリ−ンは緑、タフとは火山灰という意味。
●貫入(intrusion)
地下深い場所で生成したマグマが、地表付近に上昇してきて既存の岩石中に割り込んでくる現象。
マグマの入り方によって岩床(地層の間に板状に貫入したもの)、岩脈(地層面を切って垂直に
近い角度で貫入したもの)、底盤(地下の広い範囲にわたって貫入したもの)などと分類される。
上昇してきたマグマが冷却すると深成岩や半深成岩になる。
●節理(joint)
高温を保ったまま上昇してきたマグマが地表または地表付近で冷却すると、温度の高いものが冷
えると一般に体積が減少するので、火成岩中に一定の方向に割れ目ができることがある。これを
節理と呼び、板状になったものを板状節理、柱状になったものを柱状節理という。
●捕獲岩(zenolith)
マグマが上昇してくる際に、周囲の岩盤の一部を削り取って、取り込む場合がある。このように
して取り込まれた岩体をゼノリスという。地下に存在する岩盤の種類を知る手がかりになる。
●泥流
火山の爆発など大規模な地殻変動が起きた際に大量の土砂が水とともに一気にふもとに流れ下る
現象。八ヶ岳の韮崎泥流は日本一の規模である。