(左上写真)
日本に近代登山方法をもたらし、世界に日本アルプスを
紹介した英国宣教師ウォルターウエストン氏のレリーフ。
毎年このレリーフ前でウエストン祭が催される。
このレリーフがはめ込まれている岩体は滝谷花崗閃緑岩
と呼ばれている。この地域を詳しく調査された信州大学の
原山教授によって、この岩体が花崗岩質岩としては世界で
最も若い年代を示すことが明らかにされた。
普通、花崗岩は地下深く(地下3000m程度)で酸性のマ
グマがゆっくりと冷却して形成される。その後の地殻変動
によって花崗岩岩体が隆起して地表に現れるには何千万年
〜何億年もかかると一般的に考えられていた。
原山教授がこの岩体の年代測定をしたところ、約140万
年前という値が得られた。この間に地下3000mの岩体が現
在海抜3000mの山稜を構成している訳だから極めて短期間
に激しい隆起をしたことになる。
(左下写真)
滝谷花崗閃緑岩のクローズアップ写真。黒い有色鉱物
は黒雲母だけでなく角閃石も含まれている。