今回掘り出された断層の西側の黒い地層は出土した
土器から弥生時代のものと考えられ、断層の東側の白
い地層は放射性炭素年代測定結果から、16世紀以降
に堆積したと判断されるとのことである。
16世紀以降の大きい地震履歴を考えると、この断
層は善光寺地震の時に生じた可能性が高いという。
善光寺地震の記録を見ると、地表に裂け目やしわ状の
起伏ができたとの記述があり、今回発見された断層の
類がこの起伏を生じさせた、と考えることができるら
しい。
東傾斜の正断層の落差は観察される範囲でも4〜5
mあり、善光寺地震の時のずれの量(1〜2mと推定
される)と比べると大きいため、複数回の変位である
可能性が高い。
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