小諸層群中の泥流堆積物層の観察(小諸市・東御市)
A.小諸市 上の平の露頭
小諸層群中には泥流堆積物層と呼ばれる内陸堆積盆地によく見られる地層が頻繁に挟まれている。 これらのうち大規模なものが2枚あり、一つは前期更新世の観音寺泥流(または上の平泥流堆積物 層)と呼ばれ、もう一つは中期更新世の松葉川泥流堆積物層と呼ばれている。  これらの泥流堆積物は、火山爆発による火山山体崩壊などによって、一気に大量の土砂が堆積し たもので、両者とも基質に火山起源の物質を大量に含んでいる。  上の写真は小諸市から御牧ヶ原台地に登る途中の、上の平に露出する観音寺泥流の写真である。 下の黒い部分は下位の布引観音層で、上の薄茶色の部分が泥流堆積物層である。 この写真でわかるように下位層の数m〜数十m大の岩塊を大量に取り込んでいるのが特徴である。
 上の写真は、鹿曲川沿いの露頭で見られる観音寺泥流で、4〜5mの岩塊が乱雑に積み重なってい る様子が観察され、泥流の運搬力の大きさが察せられる。 (宮坂 晃)
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