ATとは地質屋さんには有名な火山灰層で、正式には姶良Tn火山灰と呼ばれる。
今からおよそ2万5000年前に、現在の鹿児島湾にかつて存在した火山が大噴火し、日本中に火山灰
をまき散らした。富士山が約10万年かかって今の大きさの山体を形成したのに比べ、この時の噴火
は数週間(おそらく2週間)で、富士山の体積の2倍の火山噴出物を放出したと言われ、世界最大
級の噴火であったと思われる。
一般に日本では、火山灰は上空を吹く偏西風によって火山の東側に多く堆積し、この火山灰は四
国の指宿で50cm、京都で20cm、長野県においては10cm内外の厚さで堆積している。
(写真中の中央やや上部にある白っぽい地層がAT)