守屋累層の片倉礫岩
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 守屋層は諏訪市の南、守屋山一帯に分布 する地層で、いわゆるグリ−ンタフメン バ−の中ではもっとも古いとされている。 一般に長野県下のグリ−ンタフメンバ−は 糸魚川−静岡構造線よりも東側に存在する のに対し、この地層は西側に分布する特殊 な地層である。  守屋層の最下部の地層が片倉礫岩と呼ば れる地層で、基盤の領家帯の地層を不整合 で覆っている。礫種は基盤由来の粘板岩、 砂岩、チャ−ト、花崗岩礫などである。 堅くしまっており、小断層によって破断さ れている。

 高遠町の日之影入林道は、守屋層を観察する好ル−トである。これらの写真を撮ったのは 2002年3月であり、ほとんど全面露頭が続いていたが、林道改修工事によって次々にコンク リ−トで覆われてしまい、間もなく無くなってしまうと思われる。  写真は松尾峠に露出している片倉礫岩と、その上位の臼沢層の砂岩の境界部。(ハンマ− 有り)臼沢砂岩層は青灰色の凝灰質砂岩から成る。ここも小断層によって細かく断ち切られ ている。 <参考文献> 諏訪教育会 自然史編集委員会(1975)諏訪の自然史 地質編 降籏和夫 編(2001)改訂 長野県 地学のガイド            (宮坂 晃)

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