寝覚の床
木曽谷を下刻して岐阜県に抜ける木曽川は、王滝川が合流する辺りから川原に転がる石は真っ白に なる。石のほとんどは花崗岩で、晴れた日は谷が輝いて見える。上松には、この花崗岩岩体を木曽川 が削り込んでできた景勝地、寝覚の床(ねざめのとこ)があり、国の史跡名勝天然記念物に指定され ている。寝覚の床付近では木曽川は川幅がぐっと狭まり、流れも「Zの字」に屈曲している。これは、 河床に現れている花崗岩と密接な関係がある。  花崗岩が冷却するときに体積が減少し、石に”節理”と呼ばれる隙間が形成される。ここでは北東 〜南西方向および北西〜南東方向の直交する2方向の縦方向と水平な方向の節理が発達していて、四 角い積み木を重ねたように見える。このような節理を方状節理という。  木曽川はこの節理に沿って岩体を侵食して深い淵を形成し、流れがゆっくりとなってエメラルド色 の水に白い石が映えるのだ。
  寝覚の床に見られる大きな  ポットホール。   やや下流では花崗岩の節理  に沿ってポットホールが数珠  状に並んでいるところがある。
 寝覚ノ床に現れている花崗岩は、  上松花崗岩と呼ばれ、中生代末期に  貫入してきたものとされている。  長野県南部にある花崗岩の中では  最も若いもののひとつである。白い  部分は長石、やや灰色の部分は石英  黒い部分は黒雲母などの有色鉱物か  らなる。
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<参考文献> 信州地学教育研究会(1980) 長野県地学図鑑,信濃毎日新聞社 日本の地質「中部地方U」編集委員会(1988) 日本の地質5「中部地方U」        (宮坂 晃)              

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