地震の前に降った雨の影響もあって、
村内の各地で土砂崩れが多数発生した
が、最も大規模だったのが御嶽山の崩
壊である。
伝上川上流部にあった御嶽山の尾根
の一部が大崩壊し(高さ2500m付近)
崩壊した土砂は土石流となって尾根を
乗り越え鈴ヶ沢や濁川にも流れ下った。
土砂崩れの際に、急な斜面では、崩
れ落ちる土砂が水や空気を巻き込んで、
土砂が半分浮かんだ状態で、非常に高
速で下り落ちる。このようなものを粉
体流という。すざまじい勢いの土砂は
樹木を根こそぎなぎ倒し、いくつかの
尾根を降り超え、流れ下った。目撃者
等の証言から、このときの速度は時速
80キロ以上と考えられている。
崩落した土砂の量は3600万立方bと
見積もられ、沢沿いにあった温泉旅館
の方やキノコ採りにきていた人など十
数名があっという間に犠牲になってし
まった。写真は崩壊源頭部の様子。
(旧林野庁王滝営林署のパンフレット
より)
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