南相木村の“大理石”

 南相木村は村全体が関東山地の中古生界(秩父帯)の南限に位置する自然豊かな所だ。 一般に秩父帯の南限近くには石灰岩が分布しているが、この村にもあちこちに石灰岩が露出し ている。御座山の傍の栗生ではこうした石灰岩体近くに花崗岩が貫入してきて石灰岩が再結晶 し、大理石(結晶質石灰岩)ができている。栗生から登る林道沿いには切り出されたまま放置 された石がごろごろしている。 (下写真)栗生の石灰岩の露頭
(左写真)村役場に置かれている銘板 がはめ込まれた大きな石も大理石だ。  石灰岩は炭酸カルシウムの殻を持つ 生物遺骸(主に珊瑚や紡錘虫)や海水 中の炭酸カルシウムが海底に沈殿して できる堆積岩である。 この石灰岩が接触変成作用を受ける と大理石(結晶質石灰岩)となる。石 灰岩は灰色不透明だが、再結晶すると 透明〜薄褐色をした菱形の結晶集合体 となる。 (奈良井宿の石灰岩の項参照)
 栗生産の大理石は左写真のように 白い結晶中に黒い帯状、また楕円形 の緑色の斑模様の存在が特徴だ。 ここから切り出された石は佐久郡 下の石碑やオブジェに使われている ので石碑に注目! (宮坂 晃)

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