佐久穂町から抜井川に沿って、山中地溝帯と呼ばれる地質区がある。地形的にも凹地となっ
ているが、地質学的にも、周囲の比較的古い時代(中生代ジュラ紀以前)の秩父帯の地層に挟
まれるようにして、より新しい中生代(ジュラ紀〜白亜紀)の地層が分布している。
ここは中生代の化石を多産することから古くから注目され、多くの研究者が立ち入って有名
なフィ−ルドとなってきた。地質構造が複雑で、全容が解明されているとは言い難いが、大局
的には複向斜構造をなした上部ジュラ紀〜下部白亜紀の地層が分布していると考えられている。
上の写真は、化石を多産する石堂の風景。右側の黒っぽい地層が石堂層。左側の緑色っぽい
崖は蛇紋岩で、石堂層と、秩父帯とを界する断層に沿って貫入してきたもの。
石堂では、白亜紀の化石を採集できる。産出する化石は二枚貝、巻き貝、アンモナイト、
三角貝、ウニ、シダ・裸子植物などである。
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