関田山脈の自然(その1)(飯山市)
 関田山脈は飯山市と新潟県を境する県最北の山脈で、斑尾山から始まり、千曲川が新潟県に 出るまでの約80kmにわたって連なっている。間には袴岳・黒岩山・鍋倉山などが存在しており ブナ林で覆われた豊かな自然で有名である。近年、「信越トレイル」と呼ばれる県境尾根を歩 き通す道が完成し、アウトドア派の関心を集めている。また、この地域は全国でも有数の豪雪 地として知られており、ふもとの森宮野原駅はJR駅としては日本最深の 7.8mの積雪を記録 し、これと同じ高さの塔が駅前に立っている。  関田山脈は、主に新生代第三紀の堆積岩や火山岩類からできているが、地学的に様々な謎が 隠されている山脈だ。たとえば・・・ [その1]山脈がきれいな円弧を描くのはなぜか? [その2]最近になって起きた急激な隆起はなぜか? [その3]関田山脈を形作ったといわれる富倉背斜の背斜軸と山の稜線の位置がずれている のはなぜか?
(上左写真)ブナ林で有名な鍋倉山(1289m)関田山脈の中央部に位置する。火山岩から成る。 (上右写真)関田山脈の地図。(国土地理院地図使用)アーチ状の山の配列に注目。 

 関田山脈には飯山と新潟県を結ぶ16もの峠が あり、両県の長い交流の歴史を感じさせる。 峠のひとつ関田峠には池がある。池の長軸方 向は山脈の方向と一致していて、この池が断層 活動などの構造運動でできたことを暗示してい る。写真の池は埋め立てられ湿原化している。 同じような原因で形成されたと考えられる池は 黒岩山付近にも存在している。
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(上左写真)山地を夕方眺めると、麓から幾重にも同じような高さの小ピークが横に連なって   いるのが見える。これは麓側に傾斜している地層が差別浸食を受け、硬い部分が高まりを   作っているためで、このような地形をケスタ地形という。このことは関田山脈の衛星写真   を見ると非常によくわかる。 (上右図)ケスタ地形の説明。硬い黄色の地層と軟らかい青い地層が交互に重なっていた場合、 青い地層の方が早く侵食され、黄色の地層が残丘状に残って地形に反映される。
関田山脈の北半分は最近になって急激に 隆起した。山脈の東側には「上段」と呼ば れる平坦面が存在しており、これは千曲川 の河岸段丘と今のところ考えられている。   この上段と千曲川との高度差は1段で約 200mもあり、きわめて大きい。 左写真はこの上段を浸食する深い谷。

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