柵層の化石(長野市)
 柵層は長野県でも最も豊富な化石を産出する地層である。裾花川上流の戸隠(旧柵村)の川下、荻久保、祖山などで柵層 の化石が採集できるが、最近は天然記念物として保護されている。  (上写真)掃き寄せ型の産状を示す化石床。柵層からはホタテガイの仲間、<シナノホタテ(Mizuhopecten tryblium)、 ヤマサキホタテ(patinopecten yamasakii)、エゾホタテ(Patinopecten yezoensis)など> が多く産出する。
(上左) シガラミサルボウ(Anadara amicula) (上中)ユキノカサガイ(Acmaea pallida) (上右)サイシュウキリガイダマシ(Turritella saisyuensis)
(上左) エゾギンチャク(Chlamys swiftii) (上中)ムカシブンブク(棘皮動物:ウニ)(Linthia nipponica) (上右) エゾタマガイ(Natica janthostomoides)
(上左) オウナガイ(Conchocele nipponica) (上右)シナノホタテ(Mizuhopecten tryblium)  これらのほか、ナガシロウリガイ(Calyptogena nipponica、カガミガイ(Dosinia属)、マテガイ(Solen属)、ナミガイ (Panope属)、腕足類(Hemithyris属)および(Terebratalia gouldi)、タマキガイ(Glycymeris属)、オオノガイ (Mya japonica)などを多産する。 これらの化石は下楡木化石動物群と呼ばれ、金沢の大桑(おんま)万願寺動物群に対比されていて、どちらかというと寒流 系の生物相であったと考えられている。  これらの軟体動物のほか、ステゴドン象の顎骨、鯨の脊椎骨・肋骨など大型哺乳類の化石も多数産出し、これらを戸隠 化石館で見ることができる。

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