松本市の北に位置する四賀村はフォッサマグナ区、新生代第三紀の別所層と青木層が分布している。 四賀村からは大型ほ乳類の化石をはじめ、珍しい貝化石などが多産し、これらは四賀村化石館で見る ことができる。
↑ 保福寺川河床で産出したマッコウ鯨全身骨格化石の頭部。(四賀村化石館所蔵) この種の全身骨格化石としては世界に2例しかなく、かつ日本最古だと言う。
← 保福寺川の鯨化石産地への入口。(国道 143号線沿い) ここから保福寺川に降りたところの河床 に露頭が現れており、当時小学生だった 山田君がそこで大発見をした。
↑ 穴沢の鯨化石。川の砂防工事中に発見され、背骨12個、肋骨8本が、産出した状態のまま、 現地保存されている。(県天然記念物指定)
← アロデスムス(シナノトド)の頭部化石。 四賀村麻生産出。牙が噛み合ってすばらしい 迫力である。 (四賀村化石館所蔵。県天然記念物指定) このアロデスムスの化石は、他に手の一部 と思われるものが篠ノ井俊英高校に保管され ている。
穴沢の南、赤怒田(あかぬた)では、石灰岩がレンズ状に小分布し、この中からウチムラユイガイ ダマシ、シロウリガイ等の珍しい貝化石が産出する。シロウリガイは最近、日光の届かないような 深海底で独自のコロニーを作っていることが判明した貝である。 <参考文献> 松本盆地の生いたちをさぐる(松本市教育委員会ほか) 信州の地質めぐり(地学団体研究会松本支部) (宮坂 晃)