白馬岳の自然
 白馬岳(しろうまだけ)は、北アルプス連山の北端に 近く、冬季には大量の積雪がある。碧空に真っ白に輝く 白馬三山が屹立する姿は神々しいものがある。  春、代かきの頃(5月頃)になると山の雪が溶けて馬 の雪形が現れる。昔は馬の現れる時期から「代馬岳」 (しろうまだけ)と呼ばれたのが、いつの間にか「白馬」 になり、最近は「はくば」と呼ばれることもあるが、 「しろうま」が正しい。従って、雪形も、名前から察す ると白い馬が現れそうだが、そうではなく白い残雪の中 に黒い岩が現れ、この形が馬に見えるのだ。馬は2頭現 れる。
大雪渓(写真↑)  白馬岳に登るには猿倉から大雪渓を詰めるのが一般ルートになる。大雪渓の雪は万年雪なのでは なく、年毎に更新されている。つまり、その年の冬に降った雪は次の冬が来る前にすべて溶け去る。  前の年に降った雪が次の年まで持ち越されるようになると年々残雪が蓄積されて氷河が形成され る。今は氷河がないここも数万年前の氷河時代には大規模な氷河が形成され、その痕跡がいくつか 残っている。 上の写真は大雪渓。白馬の大雪渓は剣沢、針ノ木とともに日本3大雪渓に数えられ 全長3500m、幅100m、高度差600mあるとされている。河川による浸食でできる谷の断面の形はV の字の形になるが氷河が山を削ると両側の壁が切り立ち、谷底が丸いUの字の谷になる。(U字谷)
(写真←)  白馬岳山頂直下の葱平 (ねぶかっぴら)には、氷 河で削られたため、表面が 丸く滑らかになった岩が存 在する。 このような岩を羊背岩と 呼ぶ。表面には氷河で削ら れてできた引っかき傷があ る。
 白馬三山は白馬岳、杓子岳、白馬鑓ヶ 岳を指す。麓から見ると、白馬岳は色が 黒く、隣(南側)の杓子岳は色が白い。 これは、白馬岳が古生代〜中生代の堆 積岩(海溝から日本列島の下に潜り込ん だ堆積物=メランジェ)から成る山なの に対し、杓子岳はその古い堆積岩の中に 貫入してきた白い火成岩からできている からだ。 写真は白馬岳山頂の褶曲した堆積岩。
 白馬岳に登ると、山の西側の斜面 は比較的なだらかなのに、東側は極 めて切り立っていることに気づく。  このような地形を非対称山稜と呼 び、氷河説、季節風説、構造運動説 など多々ある。 写真は白馬岳山頂から南側を向い て撮ったもの。自分の立っている白 馬岳も、正面の杓子岳も右側(富山 県側)の稜線はなだらかである一方 左側(長野県側)は急傾斜である。  遠方の高い山は、槍、穂高連山。 朝焼けで赤く山が染まっている。 (モルゲンロートという。morgen =朝、rot=赤)
白馬岳で見たブロッケン現象。 霧の日に、太陽を背にして自分の影 の周りに丸い虹ができる。 雨の後の虹と同じ現象だが、滅多 に見られない。  (宮坂 晃)
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