裾花凝灰岩(長野市)
 裾花凝灰岩層は、新生代、中新世の小川層下部に挟まれる流紋岩質〜デ−サイト質 の凝灰岩、凝灰角礫岩、火山角礫岩、溶岩などを主とした地層で、長野盆地の西縁部 に沿って、長野市 三才付近から麻績村付近まで連続的に分布し、最大層厚は2000m をこえる。  地付山、県庁横の白い崖などはこの地層である。小市付近の白い崖もこの地層が露 出しているが、ここでは磨き粉の原料として、工業的に採集されている。  裾花凝灰岩が露出する崖は風化に弱く、写真のように襞の発達した浸食地形を作る。
 裾花凝灰岩層からは、酸性の火山岩に特徴的な珍しい岩石が産出する。ガラス質な部層から は葡萄石、または仏頭石と呼ぶ球状体が出る。(左上の写真。直径25cm)また、小田切ダム下の 犀川の河床付近からは流理構造の美しい流紋岩が採集できる。(写真は屋代高校所有の標本) <参考文献> 加藤碵一・赤羽貞幸(1986) 長野地域の地質.地域地質研究報告(5万分の1図幅),地質調査所. 河内晋平(1999)地学団体研究会第53回総シンポジウム要旨集,31-32.                                   (宮坂 晃)
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