諏訪湖(2)日本一の間欠泉

 諏訪は湯の町としても有名である。驚くことに JR駅の中にも、高校の中にも温泉がある。  ここでは諏訪湖を取り囲むようにいくつかの湯 元が存在し、(右図の赤い点)この湯元の多くは 糸魚川静岡構造線の北側の分岐線上に位置してお り、この断層が湯水の供給に一役買っているのは 間違いない。  諏訪はフォッサマグナの中央隆起帯最南部に位 置するが、この地帯は、新生代第三紀の終わり頃 に膨大な量のマグマの上昇が起こり、地形的にも 隆起した場所だ。マグマの一部は地表にも所々顔 を出して閃緑岩岩体となっている。(美ヶ原岩体 下諏訪岩体など)また、第三紀終わりから第四紀 にかけて活発な火山活動が発生した。  諏訪湖の周りには塩嶺累層と呼ばれる火山岩を 主とした地層(図の茶色に塗った部分)が広く厚 く分布しており、これら第三紀末から第四紀にか けて発生した火山活動のマグマが熱源と考えられ ている。(中央隆起帯については山ノ内町参照)

  1983年に七ツ釜(上諏訪)でボーリングをした  ところ、自噴する湯脈に当たり、高さ50mも吹き上  がる日本一の「間欠泉」が誕生した。(世界でも第2  位の高さ)   自然の状態では、噴出間隔は2〜10分、噴出時間  は15〜60秒で120℃のお湯が自噴する間欠泉で  あるが、今現在は30分ごとに吹き上がるようバルブ  で調節している。バルブが開かれて、直後は1m程度  の弱々しい噴出がくり返されているが、しばらくする  と、湯気とともにすざまじい迫力でお湯が噴き上がり、  なんとも壮大な眺めである。
    <参考文献>        諏訪市・上諏訪温泉、諏訪湖間欠泉センターパンフレット        諏訪教育会(1975)諏訪の自然誌   (宮坂 晃)

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