7月16日発生中越沖地震(その1)
平成19年7月16日、新潟県柏崎市の沖(海中)を震央とする地震が発生した。震源の深 さは13〜17キロで、比較的浅く、新潟県、長野県を中心に各地で被害が出て、死者11名、お よそ69,000棟の家屋が損壊した。  最近になって、阪神地区〜中越地区に伸びる帯状の部分が地震活動活発期とされ、阪神淡路 地震、中越地震(2004年)、能登半島地震(2007年)、中越沖地震(2007年)などがこの帯の 中で発生している。そして、これらはすべて逆断層型のずれを生じる動きであったことが判っ ている。  この地震を発生させた断層運動のメカニズムについては、気象庁の発表したものと、国土地 理院の発表したものとが異なっていて、海底地震断層の解析が難しい事を物語っている。詳細 についてはこれから判明するものと思われるが、今回の地震は、柏崎市沖にある北東ー南西方 向に伸びる海底の逆断層がおおよそ15kmにわたって1m程度ずれ動いて発生したと考えられて いる。
 長野県下では、飯綱町芋川 で震度6強を観測し、飯綱町 牟礼、中野市豊津、飯山市福 寿町、信濃町柏原東裏で震度 5強、長野戸隠で震度5弱、 上田市で震度4を観測した。 (写真1)飯綱町三水支所。 建物の破壊がひどく業務は移 転した。
この地震による県下の被害は、けが人が29人、家屋への被害282棟、被害総額2億5700万円であ った。飯綱町芋川は、県下ではただ一つ、飛び地のように揺れの大きい場所で、震央に近い柏崎 市に匹敵する揺れであった。なぜ、飯綱町だけが激しく揺れたのか、このことが何を意味するの かは不明である。また、今回の地震では、飯綱町から中野市豊田、飯山市に伸びる北東ー南西方 向の線上で揺れが大きく、現在、高校生が調査中だ。
(写真2)飯山北高校図書館では書棚の半分近 くが倒れた。写真は東西方向に置かれた書棚の 本の様子。見て判るように一様に北側に倒れて いて、揺れが南北方向だったことを物語ってい る。
(写真3)飯山市にある県の史跡 「正受庵」  壁の北東隅と南側面だけが破損 している。
(写真4)飯山市戸狩のお寺の 墓石の様子。ドミノ倒しの様に 同じ方向に倒れている。
(写真5)同じ戸狩のお寺の墓石。 写真に見える墓石はすべて”変形” している。墓石の倒壊率だけから 見ると飯綱町よりはるかに多く損 傷を受けている。
(写真6)墓石の多くは南側に倒れる か、写真のように南側にずれている。 また、反時計回りに回転しているもの が目立つ。一方、飯綱町では南西〜西 方向に倒れているものが多い。

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