上田城は、平城でありながら自然の 地形を生かした難攻不落のお城として 名を馳せている。 上田城や市民体育館が乗っている段 丘面と、その下の駐車場の間には7〜 8mの高度差がある崖が続いているが この崖のほとんどは”上田泥流”と呼 ばれる泥流堆積物層が露出している。 泥流とは火山の噴火によって山体崩 壊が起こったり、洪水などによって一 気に大量の土砂が移動する現象である。 ここに見られる泥流は薄茶色の基質 の中に、赤色や黒色をした凝灰角礫岩 のブロックを大量に取り込んでいる.
上田泥流はどこから来たのか? この層に含まれる岩質から、烏帽子岳 から浅間山に至る火山列のどこかで発 生した事は推察されるが、詳しい場所 についてはいくつかの説がある。 上田公園下の駐車場からお城に登る 道沿いは上田泥流を観察できる好地点 である。ここでは、下に礫岩層があり、 その上に薄い泥の層を挟んで上田泥流 が乗っている。 礫岩層は円礫で安山岩が多いことか ら、古千曲川の河床礫と考えられる。