蓼科山(2530m )は八ヶ岳最北端の山で、南側の茅野方向から眺めると三角錐型の美しい山であ
るが、北側の佐久方向からは「お供え餅」のような二段構造をしている。この見え方の違いは蓼科
山のでき方と密接な関係がある。佐久側から見える台座のような平たい山は前蓼科山と呼ばれ、こ
の山は角閃石安山岩溶岩からなる火山である。この溶岩は色が白っぽく粘性が大きく、溶岩円頂丘
と呼ばれる火山体を作る。蓼科山周辺には北西−南東方向に伸びた尾根を持ついくつかの溶岩円頂
丘火山がある。蓼科山の中にも、これと同じ方向に伸びた同じ岩質の古い火山が存在し、この上に
輝石安山岩の溶岩が表面を覆って蓼科山が完成した。ちょうど、チョコレートシロップのかかった
「かき氷」のような構造を呈している。最後に山体を覆った溶岩の末端からは溶岩中にしみこんだ
雨水が泉となって湧き出し(たとえば弁天神)、立科町の田畑を潤している。
古東山道はこの山の麓を通っているが、秀麗な姿は昔から信仰の対象になったらしく、いくつか
の遺跡が存在している。(たとえば鳴石遺跡)