八ヶ岳は南北20キロを超える火山列で、2500m以上のピークだけで13座を数える。峰はそれぞれ
に個性があり、違った趣がある。また、長い山列のほぼ中央部の夏沢峠を境に、南八ヶ岳と北八ヶ岳に
分けられている。
火山の寿命は長いものになると数百万年にわたるが、八ヶ岳も百万年以上の歴史を持つ火山である。
最近の信州大学の研究によって、八ヶ岳の歴史が判ってきた。一口に八ヶ岳と言っても2つの大きな火
山帯から成っており、まず、現在の北八ヶ岳一帯で八柱火山帯と呼ばれる北西ー南東方向に並ぶ火山群
の活動があった。この火山群からは膨大な量の玄武岩〜安山岩質の火山砕屑物や溶岩が噴き出して成層
火山を形成していった。この火山活動は110万年〜80万年前に起きていた。その後、しばらく火山活動は
休止し、50万年前から再び火山活動が活発に起こり、現在の八ヶ岳の大部分ができたらしい。
なお、八ヶ岳の東側に降った雨は千曲川に注ぎこみ日本海に、また西側に降った雨は天竜川、釜無川
を経て太平洋にと、雨水の運命を分ける分水嶺になっている。