第0章
A.W0016年。戦争が終わってから一年が経った。
ジャミルとランスローはそれぞれ地と天の外務官となり、世界は新しい時代へと向かっていった。
地では再び草木が芽生え、天では安心して新たな命を授かることが出来るようになった。
マイクロウェーブ送信施設は、発電施設として生まれ変わり、天で暮らす人々の支えとなった。
そして、このマイクロウェーブ発電施設が、ガロード達の新たな冒険の舞台となるのであった。
「おーい、ティファ!!」
「まって〜!!」
ガロードとティファは北欧の都市「ルワール」でここ2,3日間滞在し、
買い物や食料調達などを行っていた。だが、
(昨日の夜)
「お休み、ティファ。」
「ええ、ガロード。おやすみなさい。ちゅっ!!」
ティファはガロードの頬に軽く口づけヲして、眠りについた。ガロードは目がさえてしまったが、
それでも30秒後には眠りについていた。
ガロードは就寝早々妄想モードに入っていた。
しかしティファは・・・・。
「この草原、きれいね、ガロ−ド。」
「おう。ここらでちょっと休むか。」
「ガロード、アレ見て!!!!!!!!」
「ん?って、ええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!」
ティファが草原で見た物、それは草原の向こうに広がる広大な森と、
その中央にある広いテーブルのような形をした山。そしてその上に広がる街。
突然ふっと出たようなその光景に2人は我を忘れた。
街に行ってみた所、ここは世界中から集まってきたいろいろな物があり、
日本にあった古代都市の名を取って「アラハビカ」という名称が付いている。
ここの人たちは何と言うかとても「純」で2人を包み込む暖かさがあった。
2人はすぐになれ、街の人々とも仲良くなっていった。
ガロード達はここに住居を構え、定住することにした。だが・・・。
「ワレ、コノチニフタタビスガタヲアラワサン。」
三日後、空を突然闇が覆い隠し、闇の中から謎の物体(ただし人型)が出てきた。
そしてその物体が手のような物をかざし、ありとあらゆる物を消していった。
そしてガロード達も・・・。
「ワガヤミノウラミウケルトヨイ。」
「ガロード・・・ガロード!!」
ティファの横にはガロードが倒れている。息はない。
「オマエモソノモノトモドモムクロニシテシンゼヨウゾ。」
「きゃ、きゃああああああああ!!」
ティファの目の前が真っ白になったとき、目が覚めた。
そして、
「月マイクロウェーブ発電施設において火災発生!!」
という記事が「ルワールタイムズ」でトップに躍り出た。
ニュータイプ(死語)は、未来を何らかの夢の形で見ることがあるという。
もしやと思ったガロードは、何処かのオルクから宇宙艇を借り、月へと行こうと提案したのである。
「良し、行こうぜ!!」
「さようなら、ルワール。」
こうして、少年少女の旅は始まった。