第一章











ガロードとティファはルワール市を抜け、南のシュギ村に到着しようとしていた。
シュギ村はルワールから南へ二時間の所にあるアフリカ北部の村で、地中海を越えていく。
本編第1話でガロードがライク・アントからティファ捕獲の依頼を受けていた村と酷似していた。
砂漠の中にあり、なおかつ栄えている。何故か植物も至る所にあった。

ガロード「なあティファ、シュギ村に一瞬でついちまったぜ。」

ティファ「これの作者が怠け者で助かったわね。」

ガロードとティファは作者の怠け心によりここにくるまでの描写を一切省かれ一瞬でここに着いていた。

ガロード達がここに来たわけは、正しくティファの勘という物であった。
ティファはニュータイプ能力(死語)により、何処に何があるのかを夢やテレパシーで知り、
そして絵で書き表すことができる。滅多に使うことはないが。
そして、確かにここには規模の大きいオルクがいた。
ガロードはここから宇宙船をかっぱらっていこうかと考えていた。盗みはガロードの十八番である。
そうしているうちに、何か野次馬のような物にあった。
みんな道を見ている。行列があった。

ガロード「ん?なんだなんだ?」

ティファ「行列・・・。」

????「おい!!そこの2人!!下がるのだ!!」

ガロード「ん?なんだあんた。」

????「貴様今何の時間だと思っている!!この行列はこのシュギ村を総本家とする

「プラトー教」の巫女「ジュジュ・クー・シュナムル」様の行列だ!!そしてこの私はジュジュ様の
親衛隊長を務める・・・・・。」

名前を言いかけて男はガロードとティファの顔を見る。そして驚愕の表情を見せた。

????「お前達に名乗る名前など・・・・ない!!」

といい、立ち去ってしまった。

ガロード「変なの。」

ティファ「とにかく、どきましょう。」

2人は道をどき、行列を見た。
確かに御輿の上には巫女らしき人物が乗っていた。だが、ガロードよりも若く見える。
目が合ってしまったので、2人はとりあーえずピースサインをした。

ガロード「ぴ、ぴ〜す・・・。」

ジュジュ「お二人様シュギ村へようこそ。私がジュジュです。以後お見知り置きを。」

と、ジュジュが微笑み返してくれた。そして、いってしまった。

ティファ「巫女といっても、まだ10歳ぐらいなのね。」

ガロード「ああ。まだあんな小さいのに祭り上げられちゃって可愛そうだな。」

ティファ「今日は疲れたから宿屋へ行って今日は休みましょう。」

ガロード「うん、賛成。」

一方教会では。

ジュジュ「あ〜疲れたっ!!!!ったくなんであんな行列しなきゃなんないのよ〜。」

????「そのようなことをおっしゃいましても、ジュジュ様。」

ジュジュ「いいなぁ〜・・・。あの2人いろんな所冒険してるんだろうなぁ〜。」

???「あなたはプラトー教にとっても大切なお方であらせられるのですよ。」

ジュジュ「いつもいつもそればっかり!!!どうせ私は一生教会暮らしなのよ!!」

????「これは失言で御座いました。」

ジュジュ「もう良いわよ。夕飯まだ?いっとくけど別に豪華じゃなくてもいいから。
これじゃ舌が麻痺しちゃう。」

???「承知いたしました。」





????「今日も疲れたな。」

???「うん。ジュジュ様に使えるのも結構大変だね。」

????「だが、ブラッドマンのようなニュータイプに憑かれた愚か者に仕えるのとは訳が違う。」

???「ジュジュ様は「仕えがい」のある少女だからね。」

????「だが、問題はあの2人だ。まさかこんな所にまで来ていようとは・・・。」

???「ばれたら絶対なんかされるよ。にいさん。」

????「我々の幸せな生活を破壊されるかもしれない。」

???「だからといってこの地を血で汚すわけにはいかないね。」

????「その通り。だから今は正体を隠しておくのだ。」

???「わかったよ、兄さん。」

もうバレバレなので一応表記しておく。「????」がシャギア、「???」がオルバである。

2人は第8次宇宙大戦のあと、各地を転々としここにたどりついた。
そしてプラトー教に出会ったのだ。みなをプラトー教の信仰者にすれば、愚かなニュータイプ思想
に取り憑かれることもない。
プラトー教の教義はこうだ。
「天地に乱起き、大地裂けるとき、裂け目から鳥が現れ、
信じる者を聖地『アナスタシア』へ運ぶであろう。」
この教義のなかの「鳥」が「唯一神プラトー」であり、「信じる者」がプラトー教信仰者である。
この教義を見ればわかるとおり、「唯一神プラトー」のもとでは、全て人類は平等であるのだ。
だから、この教義にニュータイプなどの記述はない。
兄弟はこの教義に惹かれてプラトー教の熱心な信仰者になった。そして現在へ至る。

ちなみに、宇宙世紀からB,Wになるまでの間、5000年にも及ぶ歴史表の空白が存在する。
プラトー教はその空白期間に成立したと言われている。
プラトー教は反戦的な宗教であり、B,W末期からA,W:0005あたりにかけて
当時の連邦軍総司令官フィクス・ブラッドマンによって大規模な「プラトー教狩り」が行われた。
(ただし極秘とされているが。)それでもジュジュの父に当たるプラトー教のポープ(教皇)
バオアン・クー・シュナムル指揮による徹底抗戦により、プラトー教は根絶やしを免れた。
そしてこの「プラトー教狩り」はブラッドマンに代わって新連邦総司令官になった
ジャミル・ニートの手によって暴かれ、そしてプラトー教を含む全ての宗教の信仰の自由を約束したため、
ジャミル政権のもっとも単純明快な権力正当化につながった。

その夜。

ティファ「今日は疲れたわね、ガロード。」

ガロード「まったくだぜ。」

ティファ「先にお風呂入ってるから。」

ガロード「わかった・・・ってどうせ男女別なんだし言わなくても良いだろ。」

ティファ「そうね。じゃ、またあとで会いましょう♪」

ガロード「おう!」

風呂場にて。

ガロード「ああ疲れた。ったくこの村ったら砂漠の上に立ってるから砂埃がひどかったぜ・・・。

おっ?今日は俺が一番風呂か。おっしゃ!」
と飛び込むガロード。
予想外に浅く(せいぜい80センチほど)足を思いっきり底にぶつけもがいていた。

一方女湯では。

ティファ「ここのお風呂は広いのね。」

この宿は女性客の方が多いので、女湯は男湯の1.5倍の広さがある。
客はいないようだが、ガロードのように飛び込んだりはしない。

????「あら、貴方は。」

湯煙の中から見え隠れする人影。間違いなくあの御輿に乗っていた子だ。

ティファ「・・・ジュジュ・・・様!?」

ジュジュ「ジュジュで結構よ。ティファさん。」

ティファ「私もティファで結構です。ジュジュ。」

ジュジュ「そう。そう呼んでティファ。」

ティファ「でも、どうしてこんな所へ?」

ジュジュ「教会のお風呂は広くないから、みんなには内緒でここに来ちゃった。
ここの主人は私の友達のお父様なの。だから事情は知ってるのよ。」

ティファはその時、あることに気付いた。

ティファ「何故・・・私の名前を?」

ジュジュ「ずっと前から夢を見てたの。」

ティファ「夢?」

ジュジュ「そう。貴方と貴方にとっての勇者がここに来る。
そしてその勇者の名前が「ガロード・ラン」。」

ティファ「私にとっての勇者だなんて・・・。」顔を赤くするティファ。

ジュジュ「そして、あなた達は月へ行く。」

ティファ「そこまで知ってるの・・・?」

ジュジュ「そう。あと、私に仕え、そして昼にあなた達をどかした人。あの人が・・・、」

ティファ「フロスト兄弟。一年前は私達の敵だったの。」

ジュジュ「なんだ、知ってたんだ。」

ティファ「ガロードにはナイショにしておきました。」

ジュジュ「その方がいいわね。」

と、ジュジュは露天風呂の方へ歩いていった。そして・・・

ジュジュ「ティファ、御願いがあるの。」

と月をバックにタオル一枚で仁王立ちするジュジュ。かなり危険な状態である。

ジュジュ「・・・とその前に、この章長くなりそうだからいったん切るわね。」

ティファ「・・・え?」