第二章











ここは宇宙。只今月に向かっているところである。
大気圏、重力圏を脱出し、久々の(ジュジュにとっては初めての)無重力状態を楽しんでいた。

ガロード「やっぱ無重力は楽ちんだな。」

ティファ「ええ。ジュジュちゃんはどう?」

ジュジュ「宇宙服はちょっと息苦しい気がするけどぷかぷか浮いてて楽しいわ。」

ガロードとジュジュは「ア○ノ式」のCMの物真似をする。
ティファもア○ノ式のまねをしたが、気持ち悪くなり止まってしまった。

ガロード達は月の航路を順調に進み、あと少しで月が肉眼で見えるところまで来た。
ところが・・・。

ガロード「もう少しでつ・・・・。」

アラーム「警告!!デブリ(MSの破片とか破壊されたコロニーの破片とか)接近!!回避不能!!」

ガロード「うわっ!!なんだよいったい!!」

ティファ「大変!!ここに隕石が・・・。」


激しい音と共にコロニーの破片が宇宙船の土手っ腹に命中した。



ガロード「おわわわわ!!!こんなのってありかよ!!!!!」

ジュジュ「『ありかよ!!』って今実際にここでおきてるわ!!!」

ティファ「きゃあああああああ!!!!」
宇宙船は衝突の衝撃で、月へのコースが大きくずれた。

ガロード「軌道修正ッっと。・・・・・・・・・・マジか?コマンド拒否?」

モニターには「伝達回路損傷につきコマンド拒否。制御不能。という文字がうつしだされていた。

ティファ「てことは・・・。」

ジュジュ「月に・・・行けないって事?」

ガロード「それだけじゃない・・・。制御不能ってことは何処に行くかわからねえってことだよ!!!」

ティファ・ジュジュ「・・・・・。」


宇宙では物は逆噴射を掛けない限り同じ早さでまっすぐ進んでいく。
つまり、伝達回路が損傷し逆噴射のコマンドを出せないロケットは
永久に止まることが出来ないのだ。

ガロード「止まれ止まれ止まれ!!!!止まれーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
コンソールを無我夢中で叩きまくるガロード。

ジュジュ「唯一神プラトー・・・・・。我等の乗りし方舟を救い賜え・・・・・。」
ジュジュは手を組み必死に祈る。

ティファ「シャギアさん、オルバさん、ごめんなさい・・・。」
シャギアとオルバに、ティファは泣きながら懺悔した。

ガロード「くそ!!とまんねえ!!」
と、諦めかけたその時・・・。

ガガガガガガガガガガガガガガガがガガガガガガガガガガ・・・・・・・・。。。。。

もの凄い振動が三人を襲う。

ジュジュ「今度は何?」

振動が収まると、今度はもの凄いGが襲いかかってきた。
三人は壁に貼り付け状態となる。

ジュジュ「気、気持悪・・・ちょっとちょっとガロードどこ触ってんのよ!!」

ガロード「ご、ゴメン・・・。」

ガロードはジュジュの膨らみかけた胸から手を離そうとするが、強烈なGにより手を離すことが出来ない。


ガロード(とりあえず・・・ごち・・・。)


ガロードはやっとの思いでモニターを見ると、
「第8エネルギータンク破損。」の文字。
おそらく、漏れたエネルギーに引火して爆発、その爆発がロケットの噴射代わりになったのだろう。

そして・・・。

「緊急リミッターシステム起動、全アポジモーター点火、静止。」の文字が表示された。

強烈なGは一瞬にして止み、三人はまた無重力状態に戻った。


ジュジュ「ガロードの馬鹿!!」

ジュジュはガロードにつかみかかってきたが、無重力状態のためうまく動けずに変な方向に行ってしまった。
それをガロードが優しく抱き留める。

ガロード「そんな怒るなよ。俺だってわざとじゃないんだから。」

ジュジュ「4分間も触ってたくせに。」
そして、ジュジュはガロードにしか聞こえないように自分のヘルメットをガロードのヘルメットに
ふれさせる。接触回線(通称「お肌の触れ合い回線」)である。


ジュジュ「一つ聞きたいことが有るんだけど。」

ガロード「・・・なに?」

ジュジュ「・・・・私の胸・・・・どうだった?」

ガロード「・・・・・ヘ?」

ジュジュ「何度も言わせないで・・・。」


ガロード「う〜ん・・・、胸のことについてはあんまり知らないけど、「年相応」じゃないのか?」

ジュジュ「でも、もうこのまま・・・・。」


ガロード「いいや、オレ達、今日は運が良かったみたいだぜ。」
ガロードは前を指さす。


ティファ「よかった・・・。」

ジュジュ「うそ・・・。」
ビックリするのも無理はない。前方の窓には、沢山の巨大な鉄の筒「コロニー」があった。

ガロード「どういったかは分からないけど、俺達、月の正反対まで来ちゃったみたいだぜ。」

ティファ「久しぶりね。」


ジュジュ「勉強はしてたけど、本当にこん中に人が住んでるの?」

ガロード「ああ、しかもコロニー落としのあった地球より文明が15年分進んでるらしいぜ。」

ジュジュ「へぇ〜。」

ガロード「ま、どうせ月には行けそうもないし、何処かのコロニーに拾ってもらうか。」
ガロードは通信装置を起動させた。伝達回路の損傷の影響はないようだ。

ガロード「こちら宇宙船アークオブプラトー、デブリ激突のため航行できない。コロニーの保護を要請する。」
数秒後、


???「了解しました。では我々で保護いたします、そこから動かないで下さい。」

ガロード「動きたくても動けないよ。」

???「そうですね。酸素減少の恐れもあるのですぐにジェニスで回収に来ます。」

2分後、ジェニス三機がこの宇宙船を抱え、コロニーに運んでいった。



ハッチ内
ガロード「一時はどうなるかと思ったよ。」

???「よく月への航路からここまで来ましたね。」

ガロード「ああ、自分でもどうしてこうなったのかわかんないよ。」


ジュジュ「重力は地球とかわんないのね。」

???「ええ、地球の重力を出せるように精密な計算に基づいて回転していますから。」

ジュジュ「ここが回転してるのかぁ〜。」
ジュジュは地面?を踏みならし、重力を実感した。

ティファ「そういえば、このコロニーの名前は何ですか?」

???「ここは『コロニー国家ムスペルヘイム領ポトマ自治国、通称『ポトマ国』です。」








続く

三人がコロニーの中で見た光景
それはガロードとティファのコロニーでの経験を大きく覆す物だった。
そして、希望を胸に、街を歩き始める。


次回 機動新世紀ガンダムX外伝
 「ポトマ学園」