スパロボR発売記念

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「・・・フィ、そろそろ出撃の時間・・・なにやってるの?」

「あっ・・・・ルーン これっ?何か拾っちゃって・・・てへへ」

「・・・照れる場面じゃないでしょう、それに時間が・・・」

 いっつも言う事を聞かないで、この娘ホントに軍隊にいるって
自覚があるのだろうか、けれどもいっつも彼女に振り回されているのも
事実、勿論今日も・・・・少し変わった?変なことを・・・

「まぁまぁ そう言わないでちょっと来てよ」

「・・・もう・・・」

「あっ!!ジャミル君、ちょっと来てよ〜」

「なんだよフィ・・・ってかいい加減に君名義ってのは・・・」

「ブツブツ言ってないで!早く来る!!」

「ハッ・・ハイ!!(何でこんな奴に指図されなきゃいけないんだ・・)どれどれ」

「これキミでしょう?」

 そう言ってフィが指差した先には紛れも無い30歳の「ジャミル・ニート」
の姿がそこにあった。

「うっ・・嘘だ!おれはこんなグラサン男じゃない!!」

 自分の未来を見せられて良い気分になる人は稀であろう。
当然彼もその一人だから必死に否定する。

「そうかなぁ、このモミアゲが似てるし・・・自分で「ジャミル」って言ってるよ?」

 そう言いながらモミアゲをグイグイと引っ張るフィ、かなり痛そうである

「だからって引っ張るなよ!!、痛いじゃないか!!!」

「・・・ホントね、顔の輪郭もソックリだし・・・」

 横から眺めていたルーンが冷静に対応する。

「ルーンまで・・・」

 彼女に対する信頼と言うか何かがガラガラと音を立てて消えるのと同時に
新たな面を見つけたような気がした。


「俺は絶対にこんな男にはならない!!」

「断言しちゃって大丈夫〜?そう言う風に言ってる人は必ずなるんだよ」

「フン・・・そんな事あてになるかよ」




「それで、照準が少しずれるからそこはこうやって・・・」

「それ位解かっています、中尉」

「勉強家なんだな、教えること無いや」

 彼女の勤勉振りにはいつも感心させられる、たまには
休んだ方が良いと思うのだが

「すみません・・・中尉」

「謝る必要はないと思うんだけど・・・あいつら・・いやルーンまで
少し行って来るから先に行っててくれ」

 なんでルーンまで・・・・いつもなら嫌がる2人を強引にでも
連れてきているところを今日はまた何で

「中尉、私も一緒に」

「ああ、駄目だよ、きっと巻き込まれるから、キミも大目玉喰らうよ?」

「私なら大丈夫です、それより中尉の方が心配ですから」

 既に俺も同類扱いされているという事か、トホホ・・・

「参ったな・・・じゃあ行こうか」

「ハイ」

 中尉たちいっつも楽しそうで・・・少し仲間に入りたかったのかな
どうしてあんなに愉快にしてられるのかしら・・・今一解からない



「お前ら、何やってんだ!!時間が無いだろう?」

「そうです、早く行った方が私達の為にもなります」

「キナ君も来たんだ、レナも見てよ〜ゲームにジャミル君が出てるんだ」

「んっ・・・ホントか!?お前もメジャーになったもんだなぁ」

 遂にキナまで絡んできた、絶対にこれは俺じゃないのに
手を頭の上でグリグリグリ・・・はっきり言って痛いぞ

「痛い!やめろよ!それにこれは俺じゃない!!」

「(早速ですか中尉)・・・けど・・・これはジャミル中尉に間違いないです」

「レナまで・・・みんな揃って俺を虐めてないか?」

 嗚呼・・・俺はどうやらとんでもない誤解をしていたようだ
人は見かけによってはいるが少なくともこうだとは今まで思ってなかった

「けど・・・そうでしょう〜ねぇ?」

「・・・間違いないわね」

「これはジャミルだ」

「中尉です」

 上からルーン、レナ、キナの順番である、言っているこそ違え
内容は完全に同じである。

「酷い・・・みんな揃って」

「けど、事実じゃない、それよりジャミル君、このティファって子に気があるの?」

 画面に出てきた我ら(ん)がヒロイン「ティファ・アディール」を指差しながら
ジャミルに問う、無論本人は知るはずも無い

「知らない事を聞かれても返答に困るぞ」

「もう、ホントは知ってるくせに!!」

 知ってるくせに嘘をつくから、こうしちぇえ!!思いっきり
背中に活を入れる、少しやりすぎちゃったかな・・・蒸せてるし

「ゲホッ・・・何するんだ!」

「怒らないでよぉ・・・けどさ、こう言う人って何ていったっけ?えーと・・」

「・・・ロリコンね」

「ロリコンです」

 ほぼ2人同時に放たれたその言葉
それと同時にこの2人が「何でそんな事を知っている」と
他の3人が思ったのは想像にたやすい。

「そう、そうだった!ジャミル君はそれ、ウン決定!!」

「勝手に決めるな!!しかも意味解かってないだろ、お前!」

「・・・じゃあジャミル君は知ってるの?」

 ウッ・・・確かに知らない、けど何となく解かる

「言いたくも無いね」

「知ってるんだ」

「・・・のようね」

「そんな、解かっていて・・・中尉・・・」

「悪い事はするもんじゃないぞ・・・ジャミル」

 あの2人が知っているなら不味い事だろう、俺は勝手にそう判断した

「お前ら・・・何だよ!世界にはそう言う奴だってたくさんいるんだよ!」

「自分で認めてるぅ・・・あっ、この「シャア・アズナブル」って人も
そうみたいだよ、友達になれば?」

「・・・ほんと、いい友達になれそうね」

「そんな・・・そんな中尉見たくありません!」

「類は友を呼ぶとはよく言ったものだ」

「言いたい放題言いやがって!大体、これは俺じゃない!!」

「フン・・・このゲームに出てるA.W0015って年号になれば解かる事だよ」

「・・・どうなってるのかしら」

「中尉・・・そんなの嫌です」

「レナ・・現実は厳しいの、ジャミル君はきっと・・・」

「・・・けど・・私は中尉を信じます!」

 珍しくレナが力を込めた、この人の何処が良いんだろう
だが彼女自身人の事を言える身ではない事を
未だに知らずにいた。

「まぁ・・・おれはこの通りになると思うぞ」

「お前らぁー!!もう良い、俺は行くからな」

「・・・行っちゃった・・・けどこれはジャミル君だし」

「・・・そうね」

「中尉・・・」

「さらば・・・我が友よ」

 盟友に別れを告げ暫しの間画面に没頭する、4人



「出撃予定のクルーは至急メインハッチに集合して下さい」


「あっ・・・いかなきゃ」

「・・・いけない」

「だから言ったのに・・・」

「とにかく」

『急ごう』

 あまり意見の合う事の無い4人の意見が一致した数少ない場面であった
次の瞬間には電源を切り普段あまり走らない組も一緒になって
ダッシュでハッチへと向かっていった。



 その後この4人が大目玉を喰らい罰則をうけた事は語る必要はあるまい
幸いジャミルはギリギリ間に合ったがキナの連帯責任をうけ
結局処分を受けたのはこの話の直ぐ後のことである。
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Presented by N.I in 08/08/2002