太郎山神社太々神楽

長い歴史をもつ太郎山神社太々神楽。平成7年には上田市の指定文化財(民俗文化財・無形)に認定。太郎山神社太々神楽保存会により毎年5月5日、太郎山の頂上に設けられた神楽殿にて悪魔退散・五穀豊穣・家内安全の祈祷を主とする神楽舞を披露する。

右奥に見えるのが神楽殿。
石段を少し上った所に太郎山神社本殿(明治6年)がある。

神楽舞は三つの演目からなる。

  • 鶏面(天岩戸開き)
  • 猿田彦・天若彦(天孫降臨)
  • 翁(天錮女命の舞)

    舞い方:5名
    囃子方(笛・太鼓):4名

    左の写真は鶏面の雄鶏。

舞直前の最後の打ち合わせ。面を付けてしまうと視野が極端に狭まり、相方との位置関係が難しくなる。

 

 

左:雌鶏  右:雄鶏

鶏面の舞

鶏面は雄鶏・雌鶏が互いに背中合わせの鏡像舞。身体をひねりながら、子供が宿り生まれるまでの形を表すという臨・兵・闘・者・皆・陳・烈・在・前の九字をきる。この場面は手の印相が変わっていることを知らない人がみると、同じ振りの繰り返しにしか見えない。

 

足で鬼という文字を書き強く踏み付ける。このときの相方とのタイミングがなかなか計れず、床を踏み付ける音がよくずれてしまう...
舞の最後に初めて互いが正面きって向かい合う。刀で切り合い「めでたく候う」で鶏面は終わる。

猿田彦・天若彦の舞

深山にすむ年寄の天狗猿田彦と若い天狗天若彦の舞と問答。先に天若彦が猿田彦の名、鉾、中啓を問い、猿田彦は天若彦にすすめられて和歌を詠む。

左:猿田彦  右:天若彦

連舞のあと猿田彦からの問いに変わる。天若彦が丑寅に矢を放ち、猿田彦が未申に向かって鉾を突く。

翁の舞

最後の演目となる翁の舞。護符菓子等を撒き観覧者は賑わう。腰をかがめての舞だけに、かなり足腰が痛くなるらしい。