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2004年(平成16年)6月議会 一 般 質 問

2004年6月16日
金 井 忠 一

1 問

国会で大きな問題となりました年金法案の問題点と市民生活への影響について伺ってまいります。

5日に成立した年金法案は一言で言えば、保険料の上限をなくし国民負担をどんどん増やし、給付はどんどん減らして現役世代の収入の50%以下にしてしまうことであります。
老後は安心どころか、「もっと」つらく不安になる法案であります。
その上、事も無(な)げに法案を審議する立場の国会議員の、年金未加入・保険料未納問題も明らかになり、多くの国民の不信や批判が高まっていることは当然のことであります。

そこで、第1に伺いますが、今回の国民年金法案について、政府・与党は「百年安心の年金制度」と強くアピールしてきました。
果たして、上田市民は本当に「百年も安心」していられるのでしょうか。
生活者基点を標榜して市政運営をおこなっておられる、母袋市長の所見を伺いたいと思います。

第2に、国民年金保険料は現在、月13,300円です。これから13年間連続して上がり続けます。しかも、月16,900円で固定されるとされていた上限もなくなり、その後も際限なく上がリ続けるということであります。
上田市の年金加入者20,230人の納付率は、平成14年度66.2%であります。
前年と比べ19.1%も減っています。今回の状況からして、今後益々納付する人が少なくなることが予想されます。
そこで伺いますが、今回の法案成立により、市民生活にはどのような影響が考えられるか伺います。


次に、「ジャスコ上田店」の改築に伴う影響と上田市の対応について伺ってまいります。
 
住民になれ親しまれ、暮らしと地域社会を支えてきた全国の商店街の多くが、
この数年の間に停滞・衰退し、空き店舗とシャッター通りが増え、歩いて買い物に出ても、毎日の生活に欠かせない身近な商品がなくなり、遠くのスーパーまで買い物にいかなくてはならない状況が生まれております。
上田市においても、身近な酒屋さんや八百屋さん、魚屋さん、肉屋さんなどがだんだんと無くなってきております。
商店街の衰退は単に中小商店だけの問題でなく、まち全体の荒廃の一因にもなってきております。
こうした状況をつくりだしているのは、政府が「規制緩和」の名ですすめている大型店の出店・撤退、深夜営業などを野放しにしている政策にあります。
1990年以降、アメリカの市場開放要求を受け入れ、周辺小売店との調整のための法律、「大規模小売店法」いわゆる「大店法」の規制を相次いで緩和し、1998年には「大店法」をついに廃止してしまいました。
大型チェーン店による無秩序な出店と、営業時間の野放し状態は一気に全国に広がり、近年は、外国資本の参入もあって、ショッピングセンターの巨大化や大型店同士の競争が激しくなっております。
その結果、既存の中心市街地や住民に身近な商店街がつぶされた上に、結局大型店も自身も撤退し「まち」そのものが空洞化する深刻な事態が全国で起きてきております。

上田市においても、今までの「ジャスコ上田店」が改築され、その容姿が見えてきました。
まるで不沈空母のような異様な威圧感のある、馬鹿でかい建物であります。
 
そこで伺いますが、今回の「ジャスコ上田店」が開店されることによる、地域経済や市民生活への影響について、商工観光部長、市民生活部長、都市建設部長、教育次長にそれぞれ伺います。

 次に、「ジャスコ上田店」近隣住民への生活環境上の影響について伺います。
 第1に、今まで以上に、多くの環境悪化が予想されますが、成り行き任せでいいのか伺います。

第2に、今後の具体的な対応策は、どのように考えているのか伺います。

 次に、行政の調整機能について伺います。
 今回の問題で、近隣自治会や各種団体、住民などからの要望や陳情、各種相談などについて、総合的に責任をもって対処する部署が明確ではありません。
 「ジャスコ上田店」の改築に伴う件について、どこの部でどこの課が担当しているのか伺います。

 第2に、庁内では、どのような取り組みをしながら調整がされ、対策を講じているのか伺います。

次に、今後の中心商店街の発展について伺います。
「ジャスコ上田店」はいままでの敷地面積9,686坪の中に、今までの約2倍の7,286坪の店舗面積を持ち、駐車台数も約2倍の1,480台、営業時間も24時間という、まさに県下最大級の大型店舗であります。
私は現行のジャスコでさえ、車の渋滞などの問題があるところに、十分な交通対策も立てないで、同じ場所に2倍の建物を建てることそのものに所詮無理があると思っておりました。
企業であるジャスコにすれば、法律にのっとって、行政の指導を受けておこなっているのに何が問題かということでしょう。
しかし、果たして、県下最大級規模の大型店が現在の上田市の身の丈にあっている建物なのか大きな疑問とするところです。
また、近隣自治会や住民とも行政から言われなければ十分に話し合いもしないような、まったく透明性のないやり方の体質の企業が、かろうじて残っている『上田市のまち』をも、壊してしまうことにはならないか。まったく心配であります。

 そこで伺いますが、第1に、新しくできた上田駅前を中心とする商店街や、松尾町、原町、海野町、常田など、今まで上田市を支えてきた各商店街の活性化について、行政としてどのように考えているか伺います。

 第2に、商工課には現在「市街地商業活性化の部署」があります。「ジャスコ上田店」の開店により、「市街地商業活性化の係」の果たす役割はどのようになるのか伺いまして1問といたします。

2 問

「ジャスコ上田店」の改築に伴う影響と上田市の対応について引き続き伺ってまいります。



私は、答弁を聞いていて、上田市は「ジャスコ上田店」の改築について危機感があるようには到底思えません。何か他人事のように聞こえます。
今まであったジャスコが改築開店するものであり、すでに行政の行う指導等はすべて行ったというように聞こえます。

交通対策ですが、国道141号はジャスコ専用道路ではないのです。ジャスコのために、今後上田市が都市計画道路を造るのではないのです。
一体、ジャスコは上田店を新築するための交通対策として、車道分として自分の土地を少しでも出して新しい車線をつくるのですか。

次に、ジャスコ問題についての市長の姿勢について伺います。
市長は「ジャスコ上田店」の開店を歓迎する立場にたって行動しているのか、それとも、迷惑がかかっている近隣自治会や住民、既存の商店街や、中小商店を守る立場に立って、今回の問題に対処しようとしているのか明確に答弁してください。
2000年6月に施行された「大店立地法」は「憲法」や「地方自治法」をも優先する法律なのか、市民にわかるように説明してもらいたいと思います。

次に、市内にある今までのスーパーマーケットや商店街、中小商店は、ジャスコ上田店と共存できると考えているのか伺います。
以上で2問といたします。


3 問
次に、「ジャスコ上田店」の開店に関係する催しに、上田市消防音楽隊が参加する要請がされているとか、予定されている植樹祭に市長に出席要請があるやに言われておりますが、事実なのか市長に伺います。

商店街の活性化や環境の保全について、住民に最も近いところで責任を持つのが地方自治体であります。暮らしやすいまちを創ることが責務であります。
今までの大店法を撤廃して、2000年6月に大店立地法が施行され、4年が経つ中で、その問題点は全国的にすでに誰の目にも明らかになっております。
地方自治体の果たす役割をも禁じているような法律は、今こそ抜本的に改正するような運動を全国の自治体では起こす必要があります。
そうでなければ、日本中の商店街は大型店に牛耳られ、儲けるだけ儲けて、だめになればどこかにいってしまいます。
そして、今までの慣れ親しんできた商店街はつぶれ、まちが無くなり、地方自治体までもが崩壊させられてしまいます。今進めている合併どころの話ではないのであります。

そこで市長に伺いますが、住民の切実な要望に応え、上田市に課せられている行政責任を果たすためにも、「大店立地法」の法律改正に向けて、地元選出の多くの国会議員や各政党、市長会などに緊急にも働きかける必要があると私は思いますが、市長の考えをお聞きいたします。

次に、「ジャスコ上田店」の改築について申すならば、庁内の連携はまったく不十分であります。それぞれの部門の課長は、一生懸命に限られた責任の中で努力をしております。しかし、行政の連携ということではまったくなってない現状があります。
それは、個々の担当者の問題ではなく、市長が問題意識を持って、きちんと指揮していないからであります。
私が、今回のジャスコの問題に関して痛切に感じたことは、重要事案の山積している上田市政において、機敏に連携でき、臨機応変に対応できるセクションが必要であるということです。
それには各課を横断的に網羅できるような体制、最低でも、参事級の職員を配置した部門が必要です。どのように考えているのか市長の考えを伺います。

次に、「まちづくり条例」の制定について伺います。
今まで、市内の商店街や中小商店は、お年よりはじめ住民が歩いて買い物ができる身近なところでした。
また、住民の生活に必要な利便を提供すると共に、地域の祭りや伝統・文化、青少年の教育、防犯・安全、防災への貢献など、地域コミュニティの核として、地域社会を支えてきました。
このような多面的な商店街の機能、値打ちは地域社会と住民生活にとってはなくてはならない、地域共有の財産であります。
ところが、「ジャスコ上田店」が一方的に改築開店することにより、既存の市民が利用していたスーパーマーケットの閉店さえもがささやかれるなど、中小商店や住民は、あきらめとむなしさに覆われております。
まさに、上田市におけるいままでの商店街の機能を失いかねない、重大な危機に現在上田市は遭遇していると私は考えております。

地方自治体は憲法にもとづいて、地域の実情に即して国の法律とは独自の観点で条例を作る権利があります。
今日、ジャスコの改築に伴い各種の問題が出てきております。
地域住民の生活環境の保持や商業文化の継承のために、大店立地法とは別の観点から、大型店の立地や活動に一定の規制を行うことのできる「街づくり条例」を制定することが必要と考えます。
市長の考えをお聞きし、私の質問を終わります。