山形県村山市
「ひとりぐらしねたきり老人ゼロのまち宣言」した市
村山市は人口29,588人の市であり、中心部を最上川が流れ、古くから村山米や繭の生産地として知られ、近年はサクランボ、スイカ、じゅんさいなどの特産地として名高く、美しい自然を誇る小都市です。
全国各都市の中で、家族の同居率がトップのまちで、多くの家族が同居し一緒に暮らしながら農業を基盤とした生活を営んできた。近年少子化と高齢化を迎え、病気や寝たきりにならないような予防福祉に重点をおいている。
お年寄りの安心を願って市民が高齢になっても不安が無い地域社会の実現に向けて、地域ぐるみの相互扶助活動の推進に積極的に力を入れている。介護保険の導入により特別養護老人ホームやデイサービス等もあるが、何よりもすばらしいことは介護保険のお世話にならないように、色々な予防事業を旺盛に行って、医療費が抑制され健康保険事業がしっかり行われていることである。
今までに、基金の取り崩しはしておらず国民健康保険税の収納率も約99%である。
健康増進事業の拠点施設「クアハウス碁点(ごてん)」昭和57年にオープンした、全国初の厚生省認定を受けた健康増進施設であり、市内の高齢者や老人クラブなど市民が組織したグループの活動を支援し健康増進に役立っている。
12年度は57団体延べ5,606人が参加している。
野外の温泉プールや、サウナ、大小12種類の風呂があり、トレーナーも男女4人がいて運動も指導している。
私達も早速指導を受けて軽い運動をして、疲れを取ることができた。宿泊はクアハウスを利用しゆっくりした。
公民館を利用したミニデイサービスが各地域に村山市は介護保険の認定にかかわらず、各地域にある27ケ所の公民館等を利用して、ボランティアの皆さんの協力で、特徴あるコミュニティづくり事業を実施している。
誰もが住みなれた土地で暮らしていくための、気軽に立ち寄れる憩いの場所である。 |
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お寺の境内にある施設を利用してお年寄りが楽しんでいた |
山形県村山市公式ホームページ |
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岩手県沢内村
生命を大切にする村沢内村は人口4,129人。65歳以上の老人(高齢化率)は1、344人で32.5%。面積は286.22kmで上田市の1.6倍。11月から4月までの5ケ月は降雪量2mに達し、特別豪雪地帯に指定されている。
かっての村は、雪と病気と貧困にあえいでおり、雪が経済活動を阻害し、貧困の原因となり、貧困であるから病気になっても医者に看てもらえない。病気はさらに貧困を増すという悪循環が続いていた。
老人医療費10割給付始まる(医療費が無料)昭和35年12月から、65歳以上の高齢者に医療費の10割給付を始めた。これは、国の施策に先駆けたもので、翌36年4月から60歳以上と乳児にその対象を拡大した。
社会的に弱いとされている、乳児と老人は医者にかかる場合、お金を出さなくてもよいという制度になったのです。
その後、母子家庭、寡婦、重度心身障害者(児)、精神障害者等にも拡大された。すばらしいことに、国は施策を辞めたが、沢内村は現在もこの施策を村独自で続けている。 |
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村のシンボル「沢内病院」(昭和51年新築) |
沢内病院を中心とした保健医療活動で健康な村に
村の予算(一般会計)の中で、保健福祉関係の予算は、25.4%を占めていることからみても、住民の生命を守る村の意気込みがうかがえる。
昭和52年度より、沢内病院の新築に合わせて総合成人病検診(人間ドッグ)の事業を開始した。今までの、成人病対策の重点事業であった地域巡回検診は、住民の就労状況の変化に伴い、壮年層の受検者が激減し、大きな曲がり角にさしかかっていた。
そこで、最も働き盛りの(35歳から59歳)の人たちに対して、年1回の人間ドッグを全員が受けられるようにしている。自己負担は一人6,215円と安くでき、病院と保健福祉課が連携して実施していた。全員が、成人健康手帳を持っており、住民の健康をきちんと行政が管理していた。
(紙面の関係上江刺市の総合福祉ゾーン視察は割愛します) |
沢内村ホームページ |
沢内村国民健康保険沢内病院ホームページ |
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