管理人の愛したゲーム6−b ===ファイナルファンタジー(PS・PS2編)===





さて後半です。

前半のあらすじは、 こちら をどうぞ。

時代は7作目に移るわけですが、ここでこのシリーズ、引いてはメーカーであるスクウェアそのものに、大きな転機が訪れます。

どんな 大人の事情 があったかは知りませんが、今まで散々お世話になった任天堂ハードと縁を切り、

新規参入ハードPSへのシリーズ移籍、つまりSONYへの移籍を行ったのです。

結果的にゲーム商業面では成功を収めますが、にも拘らず 任天堂に出戻る ことになりましたね。これは、後で。




7作目です。大きな変化としてはプラットフォームがPSになりました。ポリゴン描画能力に長けるこのハードに移行した利点を生かし、

キャラクタ・背景など多くのものがポリゴン化され、ある意味存在感が増しました。

また、媒体がCDROMに移ったことにより動画の使用も可能になり、イベントシーン等の山場山場を美しいCGで表現できるようになりました。

これらの特長は、後のシリーズでのフォーマットスタイルになりました。

また、シリーズの特徴の一つといえる魔法、召喚魔法のグラフィックもポリゴン化されたことにより格段に迫力が増しました。

反面、演出が長すぎるために、プレイヤーが何も出来ない時間が出来てしまったのは失敗でしょうが。

シナリオ面は上手くまとまっていない面もありますが、ヒロインの一人をリタイアさせ、その後復活させなかったところは

(しかもそれを上手く利用してシナリオを構築していた点は)進化といえると思います。




男塾 が、ブラックエンジェルズ ぐらいにはなったと思います。良く解らない例えですが。




ちなみに、ご記憶の方も多いと思いますが、リタイアしたヒロインが復活する、する方法がある、

との噂がネット上で実しやかに流れましたね。

恐らくは愉快犯の仕業なのでしょうが、ある意味この現象が今までのスクウェアのシナリオに対する認識だったとも言え、

中々に興味深く思いました。

みんなが信じてしまうほど、スクウェアの主人公側キャラクタは「 死んでも後で、死んでなかったことになる 」ものという認識が根強かったようです。

何だか、車田正美 みたいな、信用のされ方をしていたということでしょうか。 信用かな?

ともあれ、結果的にこのソフトは好セールスを上げ、この時期の新ハード天下取り合戦での

PSへの強力な援護射撃になりました。




PSでも人気シリーズ健在を示した7作目に続き、8作目が登場します。

何だか、いきなり 学園もの です。知らない方には何が何だか解らないでしょうが、学園ものなのです。

でも、魔女とかも出てきます。

新しいこと をやりたいのか、原点回帰したい のか解りませんが、8のシナリオはそんな感じです。

前作では割合にまともなキャラ造形をされていたパーティーキャラクタも8は崩れ気味です。

殆ど喋らない、というか自閉症 に近い主役、オハロー だの、ハグハグ だのとりあえず始末したくなるような言動をするヒロイン、

慌てると関西弁になる 嫌に成る程ベタな設定の( だいたい関西あるのかよ )某アイドルに容姿を似せて作られたと思われるサブヒロイン辺りが変人三幹部でしょうか。

なんていうか、みんな ファンタジー物の登場人物 とは思えません。他の連中もみんなどこかおかしいですが。

キャラクタに個性を持たせるのはいいと思います。でも、これは現代劇の個性のつけ方ではないでしょうか。

7はそこそこ手堅い作りだったのですが、何故急にこんなに壊れたのでしょうか?

一方、システム面に目を向けると、これもどこか変です。

8の独特のシステムといえば、魔法を敵から吸い取って自分のものとする「ドロー」のシステムになると思いますが、

これが不便なだけでいいことがありません。

さらに、手に入った魔法を装備(間違いじゃありませんよ)することによりステータスが増加、その種類や増加幅はそれぞれの

魔法の種類や残り回数(多いほど上がる)により変化する、という独特のシステムを持っていました。

一見良さそうなシステムなのですが、欠陥のほうが目立ちました。

基本的に敵から奪う以外に手に入らない、使うことにより減少してしまうもの 」要するに魔法ですが、

そういったものを、能力の補填に使うシステムには欠点のほうが多いようです。

私の身の回りでも、既に主要な魔法を使い切り、もう引き返せない状態でデータ保存したが為に、

最終ダンジョン直前でクリアを諦めざるを得ない状態になった人がいました。

要するに初心者に優しくないシステムなわけですが、にも拘らず、まずいことにこのソフトは特に初心者層に多く売れました。

見た目が現代劇仕立てに、ぐっと近づいたが為の現象なのは、恐らく疑う余地が無いですが、

そんなことも手伝って、クリア率はシリーズ史上最低ではないのか、と不安になったりします。

ゲームは最後まで遊ばれてなんぼですからね。

まあ、そんなわけで8にはよい印象がありません。世間的にも「 一番の失敗作 」という認識が強いようですね。同感です。




そんなことを踏まえたのか、9作目は従来の路線に立ち戻った感じです。

所謂王道ファンタジー路線にです。

舞台設定は中世時代頃をモデルとし、研究院はあるけども学園は無い、そんな世界観です。

学園ものを、2本続けたら 流石にヤバイ ぐらいの判断はついたようです。良かった。

今回は主役も明るい好青年ですし、ヒロインも少々世間知らず(某国の王女という設定なので)ではありますが、

まともな人間です。変な 自分語 を作って、 毒電波 を撒き散らしたりはしません。

脇を固めるキャラクタも、まともな意味での良い個性持ちが多く、8の反省がどことなく生きているように思われます。

FFは割合にキャラクタをいっぱい出して収集がつかなくなったり、「 あれ?お前いなくてもいいじゃん 」というキャラクタができる事が多いのですが、

9に限って言えば、登場キャラクタが多めであるにも拘らず、それぞれのキャラクタが上手くたっていて

無駄なキャラクタがいない印象なのです。やればできるんですねえ。

中でも黒魔術師のビビ、いいキャラクタです。

システム的にも、根幹の部分は特に奇をてらわず手堅くまとめ、その代わりにATEというシステムを導入し、イベントの見せ方に新機軸をもりこんでいます。

個人的には8の256倍ぐらい、出来がいいと思いますし、好きな9ですが、あまり人気が出なかったようです。

8ショックのあまりの強さと、8を支持した人々は従来のFF路線があまり好きではない、という2点に原因があるのでしょう。

だからって、学園もの路線を続けるのもなんですしね。というか、嫌です。 8好きには申し訳ないですが。

ネタばれだから詳しくかけませんが、9はエンディングがかなり好きです。

どちらかというと、FFの場合は私はエンディングで冷めてしまうことが多いのですが、9は良かったです。

かなり、ベタで王道な落ちですが、返って安心できました。 もう年なのかもしれません。




初のPS2作品である10は、何だかまた8路線ぽい印象でした。

一瞬、まだ反省してなかったのか とか思いつつ、いろいろな悪夢の記憶がよぎり、妄想が浮かんできます。

主人公は一見明るい好青年ですが、ホントは 自閉症のナンパ野郎 に違いないとか、

ヒロインも、巫女さんぽい格好をして普通そうですが、変な言動 をして 毒電波 を放ち、こちらの洗脳を試みてくるに違いないとか、

サブヒロインも....、こいつは容姿からして怪しいなあ。きっと 妙な口癖とかがあるに違いない とかいう、

実現する可能性が高い妄想がです。


それでも買ってしまうのが、シリーズをずっと追いかけている者の性でして。

実際にプレイを開始してみると、オープニングのいくらかは嫌な感じでしたが、舞台が変わる辺りからだいぶ良くなってきます。

舞台設定も悪くは無いですし、思い切ってフィールドマップを廃止している点も意外に良いかと思います。

主要なキャラクタの台詞に音声がついたのも、最初は違和感ありありでしたが、慣れれば中々。

また、音声のバックアップを受けたためか、会話による情報ももごく自然に頭に入ってきます。(これは利点ですね)

シナリオそのものに関しても、悪くないレベルであると思います。

複線も上手く張ってあったりするし(よく考えると当然のことなのですが)、矛盾もあまり感じられず

シリーズで一番まともだったのではないでしょうか。

反面、システム面では新機軸のスフィア盤(伸ばすステータスをある程度自分で選択できるシステム)が、

致命的では無いですが、不便な面が目立つ代物であったため、あまり成功とはいえないかもしれません。

全体的には微妙な出来かもしれませんが、個人的には許します。

ラスボスとやりあう直前ぐらいに、主人公とその父親の会話が僅かあるのですが、あそこのやり取りが素晴らしすぎます。

キャラクタを演じていらっしゃる、俳優さんの声の演技も上手いし。

あれが見れただけで、OK!です。あそこが10の肝ですね。

何だか、世間では最後のヒロインとの別れシーンの方が肝だという意見が強いようですが、 どうでもいいです。 そんなところは。




さて、この頃にFFはなんと映画になりました。しかも全編フルCGで作成するという画期的な映画でした。

これで成功していれば万々歳ですが、画期的なだけでは駄目 だったようですね。実際はスクウェアが一時期存続の危機に立たされるほどの大失敗でした。

私もこの映画、映画館で見たのですが、まあつまらなかったです。はい。というか、何でFFというタイトルなのか解らない映画でしたね。

普通のSF映画だったのですよ。どちらかというとつまらない部類の。あんなとてつもない予算使って作るほどのものじゃありません。

どうもFFはメディアミックスをすると、芳しくない結果に終わるようです。アニメ(2回ありましたね)もアレだし。




この次に11が来たわけですが、未プレイです。

ってか、PSのオンライン環境そろえる気力ありません。高いですよ。それにPC持ちだと馬鹿らしいし。

オフラインモードも欲しかったですねえ。そうすれば買ったかもしれないのに。




さて、締めですね。

FFはやってる最中は割合楽しんでるんですが、終わってみるといろいろ文句が出たりするんですよね。

何でだか良く解らないですけど。

それだけ、上辺の部分は良くできてるということでしょうか。それで、もっと何かある、と思わせるつくりに長けているのでしょうね。

次の12はどんななのでしょうね。何だかんだいっても楽しみですね。オンラインじゃないそうですし。

個人的にはシステムは3とか5の現代版(よく解んない例えですけど)とかだったら嬉しいんですが。


そうそう、忘れるところでした。任天堂への出戻り。 結局、映画の失敗を取り戻そうとする一環のようですね。

ソニーに資金援助してもらったものの、まだ予断を許さない状況だということですか。

偉く身勝手な事言って任天堂と縁を切ったんですが、なりふりかまってられない状況ということですね。プライドって以外に安いものなんですね。

まあ、人生こういう事もあるから、常に謙虚が一番ですね。勉強になります。




自分でもちょっと意外な教訓ぽいオチで終わる     了



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